若者は海外に“出稼ぎ”へ 「海外には夢がある」止まらない円安に“日本離れ”【福岡発】

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続く円安。外国人旅行客にとってはまさに「格安」日本という現状だ。こうした中、日本に危機が及ぼうとしている。「若者の日本離れ」。円安も重なり、今後さらにその流れは加速するとみられている。

依然、止まらない円安。福岡空港の外国人観光客に聞いてみると…。

男性(韓国から):
観光や買い物で日本に来るには、いまは良いチャンスです


女性(韓国から):
日本人には申し訳ないのですが、円レートがとても低いので、日本でお金を使うのにはとても良いチャンスです


一方、福岡市博多区の大型商業施設で、実際に買い物をしている人たちは…。

ーー安く感じる?

女性(香港から):
はい、とても安い。香港は高いですが、日本はいい物が安い。買い物も食事も安くていい


男性2人組(韓国から):
同じ商品でも日本の方が安くて、ここで買う方が得だなと思っています


外国人旅行客にとってはまさに「格安」日本という現状。いま日本に危機が及ぼうとしている。

円安が打撃…食材だけでなく外国人従業員に影響も

リトルアジアと銘打って、東南アジアの食品などを扱う店が並ぶ福岡市博多区の吉塚商店街。その一角にあるミャンマー料理店「若桜湯」。


店の人気メニュー「モヒンガー」は、ナマズで出汁を取ったスープに米粉の麺がマッチした一品だ。


食材のナマズは現地から輸入している。本場の味にこだわるこの店にとって、輸入食材は欠かすことができず、円安は大きな打撃だ。

ミャンマー料理「若桜湯」・石橋征一郎代表:
ざっくりいうと30%はアップしているので、(販売価格)据え置きでまだ頑張ってはいるけど、かなりきつい状態にはなっている


食材だけではない。円安は、それ以上に外国人従業員に影響を与えている。

タイ出身のピ・ヤーさんは、10年前まで日本で暮らし、一度、タイに帰国したあと10月、日本人の夫とともに再び日本に来た。

ーータイに送金している?

タイ出身 ピ・ヤーさん:
うん、ちょっとだけね


ーー円安はどう?

タイ出身 ピ・ヤーさん:
きつい。大変。息子もいるから。いろいろ大変

10年前の円相場は1バーツあたり2円台。しかし現在は3円台と1.5倍になっている。

ミャンマー料理「若桜湯」・石橋征一郎代表:
うちとしては、(現在900円~1,000円から)時給をあげてあげたい、だけど、まだまだわれわれが価格転嫁できていない状態で、経営者としては板挟みの状態

このままの状況が続けば、貴重な外国人の日本離れにつながるおそれも十分にある。


ミャンマー料理「若桜湯」・石橋征一郎代表:
いまは、まだ日本を選んでくれている国の子たちが、日本を選ぶメリットがないということで、別の国に行き始めるということになりかねません


海外に出稼ぎ…若者の“日本離れ”を懸念

日本離れが心配されるのは外国人だけではない。


カナダの語学学校のスタッフ:
カナダの最低賃金がいくらか。日本円で1,600円くらい。それだけで日本より高いと思いません?例えば高級レストランだとさらに時給も上がるかもしれないし、チップももらえるかもしれない。そういう意味では、非常に稼ぎが高いというのがカナダのお仕事事情


海外で語学を学びながら仕事をして収入も得たいという人のための留学セミナー。いわゆるワーキングホリデーを希望する18歳から20歳代の男女6人が、カナダの語学学校のスタッフから現地のアルバイト事情などについてくわしく聞いていた。


参加者:
トロントとバンクーバーで迷っているんですけど…

スタッフ:
トロントは都会です。大きい街です。人も忙しく働いていて多いです。バンクーバーは、時間の流れは、若干ゆっくりです。時給にしてみればトロントかな

セミナーを主催する団体によると円安が急速に進んだ影響でこの数カ月、一気に問い合わせが増えているという。

日本ワーキングホリデー協会 福岡エリアマネージャー・藤田逸郎さん:
以前は英語を学びたいとか文化を知りたいという人が多かったんですけど、最近は本当に「稼げるんですよね?」という理由で来られる方が圧倒的に増えている


福岡の会社に就職し営業系の仕事に就いたばかりの女性(24)は…。

セミナーに参加した女性:
コロナの関係で(大学卒業後に)留学できなくて、そのまま就職したが、円安の影響で日本にいるより海外に行って稼げるのなら、このタイミングかなと思って参加しました。チップの話とか最低賃金の話とか日本と全然水準が違うので、夢があるなとすごく思いました


実際に海外でのアルバイトはどれくらい稼ぐことができるのか。現地の留学生(23)に話を聞いてみると…。

オーストラリアに留学中・大野いつきさん:
オーストラリアの時給の最低賃金が21ドル(=約2,100円)。いま、カフェで働いていますが、25ドル(=約2,500円)頂いています。多い月は、日本円にすると40万円くらいもらえます。そもそも物価が高いんですが、1年で200万くらいは貯まりますかね


大野さんは、将来外国の企業に就職したいと考えている。


オーストラリアに留学中・大野いつきさん:
賃金の面でもそうですし、ワークライフバランスが、日本に比べるととりやすい。働くときは働いて、家族や友だちとの時間を自由にとれるので、そういった面でも海外で働きたい。オーストラリアは日本と比べるとすごくチャンスがある、夢がある国だと思う

若者の日本離れ。円安も重なり、今後さらにその流れは加速するとみられている。


日本ワーキングホリデー協会 福岡エリアマネージャー・藤田逸郎さん:
チャンスを海外に求めていく方は、来年以降、もっと増えていくのではないか。(―日本の若者が海外に出稼ぎに行く時代に?)そうですね。なっているし、もっとなってくると思います


日本の若者が海外に出稼ぎへ。想像もしなかった時代が現実のものになりつつあるようだ。

(テレビ西日本)

(FNNプライムオンライン11月8日掲載。元記事はこちら

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