“楽観は禁物” 商社初の最終利益1兆円台見通し…でも実力値は据え置き カギ握る「資源以外の投資先」は資源?

経済・ビジネス

三菱商事は、2022年度の1年間の最終的な利益の見通しを発表し、商社では初となる1兆円台に上方修正した。

三菱商事、上半期の利益は前年比2倍 通期では商社初の1兆円台見通し


大手総合商社の三菱商事は2022年9月までの半年間の決算を発表し、半年間の最終的な利益は、前年の同じ時期と比べて約2倍の7,200億円となり、上半期として過去最高になった。
また、2022年度1年間の最終的な利益の見通しは、上方修正して1兆300億円に引き上げ、商社では初となる1兆円台になる見通しを示した。


そのほかの大手総合商社でも、通期の最終的な利益の見通しの上方修正は相次ぎ、三井物産で9800億円、住友商事で5500億円などとなっている。

楽観は禁物…「実力値」は据え置き予想 求められる“資源以外で稼ぐ力”

このニュースについて「Live News α」では、企業経営や市場の分析に詳しい、経済アナリストの馬渕磨理子さんに話を聞いた。


三田友梨佳キャスター:
馬渕さんの目には、最終利益が1兆円突破へと向かう三菱商事はどのように映っていますか?

経済アナリスト・馬渕磨理子さん:
三菱商事だけでなく、いま総合商社は、資源価格の高騰と円安がプラスに働いている業界の1つです。今回の見通し通りに最終利益が1兆円を超えれば、総合商社として初めてとなりますが、三菱商事の決算資料を詳しく見る必要があります。
今回の決算資料によると、1円の円安で50億円の増益があるとされていますし、その他、資源などの価格要因を除いた実力値の純利益予想は6500億円に据え置きを発表しています。
ですので、楽観は禁物と戒めているようにも見えます

ーー確かに為替やエネルギー価格の高騰が追い風ではあっても、その風がいつまで吹くのか、予測するのはなかなか難しいですよね

おっしゃる通りで、円安がいつまでも継続するわけではありませんし、資源価格の高騰も落ち着くことを考えると、資源以外での稼ぐ力がカギを握ります。三菱商事の中西勝也社長も「為替や資源市況の影響を受けない実力値が重要だ」というふうに話していますし、資産の入れ替えを素早く実現したいとも、以前からお話されています。つまり、「今回稼いだキャッシュでどのように成長戦略をすすめていくのか」これが重要になると思います


ーー成長戦略を描くとは、どの分野に投資するのかを決めることでもあるように思いますが、これについてはいかがですか? 

資源に代わる投資先は、今のところ、資源かもしれません。
近年では、温暖化ガスなどを排出する企業の株式や債券を売却する「ダイベストメント」、つまり投資を撤退する動きが増えていました。しかし、最近の動きとしてさらに注目なのは「資源分野には、もう投資しないよ!」という“北風”のスタンスから、「脱炭素化に向けて、一緒に考えよう!」という“太陽”のスタンスが金融業界で起きていることです。具体的には、あえて資源分野の企業に投資することで「脱炭素化に移行するための資金を供給する」とか、「企業と対話して、コミュニケーションの中で脱炭素化を促す」といった取組みが始まっています。
ですのでこれからの総合商社の成長戦略とは“地球とどうやって一緒に歩むのか”を決めることでもあるように思います

三田友梨佳キャスター:
外的な環境が激しく変わる世の中において、商社は常に試される立場でもありますが、大変革の波に商社はどう対応するのか、各社の戦略が問われることになりそうです

(「Live News α」2022年11月8日放送分より)

(FNNプライムオンライン11月9日掲載。元記事はこちら

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