大規模な漏水に濁った水も…高度成長期の水道管が一気に‟老朽化”【佐賀発】

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佐賀・唐津市和多田で水道管から水が漏れ出し、周辺の約200戸で一時断水が発生。漏水の原因は、水道管の老朽化だった。戦後の高度成長期に整備された多くの水道管が古くなり、更新が急務となっている。

水道管の耐用年数は?自治体や企業でバラバラ

10月19日午後4時前、佐賀・唐津市和多田で水道管にできた亀裂から水が漏れ出し、約200戸で断水が発生。このほか、サビが流れ出す赤水などの濁った水も確認。最大で約8,900戸で流れ出たと想定されている。


この水道管は、85年前の1937年、唐津市で水道事業が始まったときに整備されたもので、約2メートルにおよぶ亀裂の原因は「老朽化」だった。


唐津市では約85年前の水道管が使われていたという。水道管は地方公営企業法で耐用年数が40年と定められている。しかし、40年ごとの更新はあまりにも費用がかかるほか、あくまで経理上の基準ということで、この40年という数字は更新の目安として使われている。実際には自治体や企業ごとにバラバラで、実際に使えるであろう「実耐用年数」と決めていて、素材によって違うが平均で60年とされている。


唐津市では、1975年以前に整備された水道管が約130kmある。これを2018年からの20年間で更新する計画を立てているが、範囲が広いほか、水道管は道路を掘り起こして工事をするため、なかなか進めにくい現状もある。

1年間で可能な更新は平均わずか約1% 費用も高額

水道管の多くが戦後の高度成長期、1950年から1970年頃に整備されたもの。この時期に整備された水道管が、実耐用年数を超え、一気に老朽化を迎えていることが問題となっている。


更新の目安となる40年で見てみると、県内に約6,800kmの水道管が張り巡らされていて、このうち13.7%、約931kmが40年を超えて「経年化」している。これは直線で佐賀市から東京都を超えるほどの長さになる。


今から100年あまり前の1916年に水道事業を始めた佐賀市の場合、40年を超える経年管が毎年増えている一方、1年間に進められる更新・耐震化は、平均で約1%だ。かなり少ないように見えるが、距離にすると約11km、その費用は毎年10億円以上と高額になる。


佐賀市上下水道局水道工務課 副島新一管路計画係長:
例えば70年前に20kmしたから、今年は20kmすると考えると、人の配分とか予算とかあるので、それはちょっと厳しい。なるべく均等化する形で工事の方は進めている。費用的にですね

明確なビジョンと早めの対策が急務 耐震化も

佐賀市では、実耐用年数を改めて見直したほか、耐震化も進めている。

佐賀市上下水道局水道工務課 副島新一管路計画係長:
佐賀市水道事業経営戦略をもとに工事を実施している。老朽管の更新を70年以内に実施する。また、老朽管更新とは別に、地震に強い管路への更新として、耐震化されていない管を30年以内に耐震化を図ることになっている


佐賀市では、以前60年としていた実耐用年数を見直して70年にした。
また、耐震化も進めることで、費用を抑えながら水道管の延命化も図っている。こうしたことで1%ほどの更新率でも運用上問題がないように進めていて、主要な水道管からの漏水は過去10年間発生していないということだ。


水道事業は、主に水道料金による収入で成り立っている。しかし、今後人口減少などにより、水道料金による収入も減っていくことが見込まれ、自治体などによっては、維持管理の負担が厳しくなっていくことも予想される。


生活に欠かせない一方、目に見えないインフラだからこそ、しっかりとしたビジョンを示し、早めの対策が急務となっている。

(サガテレビ)

(FNNプライムオンライン11月12日掲載。元記事はこちら

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