「あの経験があったから」サッカー日本代表キャプテン吉田麻也独占直撃…“Z世代”とW杯ベスト8を

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2018年以降、サッカー日本代表で不動のキャプテンを務める吉田麻也(34)。自身3度目のワールドカップ出場を決めた“代表選手発表”から3時間後、「S-PARK」はドイツで吉田を独占直撃、目前に迫るカタールW杯への思いを聞いた。

長谷部誠から学んだ“チームの為になるか”


「過去2回は日本にいる時にタイムリーに(代表)発表を見ていましたが、今回は時差があって朝早かったので、起きてから見ました。3回目なので自分自身落ち着いてるなと。若い選手や初出場の選手が多いので、彼らの持っている勢いを起爆剤にしてチームを作っていけたらいいなと思います」
 

今回の日本代表メンバーは26人中19人がW杯初出場組。そんな若い選手たちをピッチ内外で支え、けん引するのがキャプテンの仕事。


チームをまとめる上で、吉田が指針としていた存在が長谷部誠(38)だ。

「長谷部さんから学んだことは『For the team』です。(長谷部の)アクションの根本には、“チームの為になるか”というのが常にあった」

2010年大会からW杯3大会連続で日本のキャプテンを務めた長谷部。本田圭佑や大久保嘉人など強烈な個性を出す選手たちの中で強いリーダーシップを発揮し続けた。

「(当時の選手たちは)言いたいことを言う人が多かった。でも長谷部さんはそれがチームの為にならないと思ったら、本田さんの意見だろうが(大久保)嘉人さんの意見だろうがピシッと拒否して、それがチームの為になるかという軸を持っていた。自分もキャプテンをやるなら、その軸をぶらしてはいけないと思った」

長谷部からリーダーとしての仲間との接し方を学んだ。ただ、今の世代の選手たちは一世代前と比べて大きな違いがあるという。


「例えば、鎌田大地にしても冨安健洋にしても久保建英にしても三笘薫にしても、みんな個性はある。ただ、それをどういうふうに表現するかというのは、“Z世代”じゃないですけど、変わってきている。意外に話すとすごい考えもしっかりしているし、思っていることもちゃんと伝えられるけれど、自分からそれをわざわざ発信していかないとか。だから、やっぱりそれを引き出してあげなきゃいけない。

東京五輪では3位を逃し「もっと強くなって帰ってこよう」

そんな言葉でZ世代と戦い抜くための術を口にする吉田は、1年前の2021年8月。オーバーエイジとして出場した東京五輪で久保や堂安、三苫らと共に戦ったが、3位決定戦でメキシコに敗退。試合後、「一人でも多くA代表に入って、これで終わりじゃないし、もっと強くなって帰ってこよう」と若いチームメートにエールを送った。

【東京五輪組からW杯代表入り主な選手】
久保建英/堂安律/三笘薫/冨安健洋/田中碧/板倉滉 etc.

その言葉通り、代表の主軸にまで成長を遂げた五輪組。そんなZ世代と挑む史上初のW杯ベスト8という新たな景色。彼らにはこれまでの日本にはなかった武器がある。
 

「選手の経験値がすごく高くなったと。僕が初めて行ったブラジルのW杯でコートジボワールと戦った時、最後にドログバが出てきたんです。その時に一気にスタジアムがのまれた」

8年前、吉田が初めて出場したブラジルW杯初戦、コートジボワール戦。日本は前半、本田圭佑のスーパーゴールで先制。しかし後半17分、ドログバが投入されると流れは一変。世界的プレーヤーの圧に対し、日本は後手に回ると、立て続けに2ゴールを奪われ逆転負けを喫した。


「どうしてもみんなが『うわっ!ドログバだ!』ってなった。でも今は、多くの選手がヨーロッパに出て、例えば(W杯初戦の)ドイツ戦で途中から誰々が出てきたなとなった時に名前負けしない、『うわっ!』とならないと思うんですよね。それこそが経験値であって、そこがすごく大事なんじゃないかなと思います」
 

4年前のベルギー戦、悪夢の逆転負けを糧に…

ロシアW杯、決勝トーナメント1回戦・日本-ベルギー。後半、決勝ゴールを決められ、肩を落とす吉田麻也
ロシアW杯、決勝トーナメント1回戦・日本-ベルギー。後半、決勝ゴールを決められ、肩を落とす吉田麻也

ロシアW杯、決勝トーナメント1回戦・日本-ベルギー。ベルギーに敗れ、肩を落とす日本代表の吉田麻也(中央)
ロシアW杯、決勝トーナメント1回戦・日本-ベルギー。ベルギーに敗れ、肩を落とす日本代表の吉田麻也(中央)

そして吉田にとって悪夢とも言えるのが4年前、勝てばベスト8進出となる決勝トーナメント初戦のベルギー戦。2対0とリードした状況から3点を奪われてまさかの逆転負け。あと一歩のところでベスト8の夢は消えた。


「ベルギーに負けた時に、絶対ベスト16の壁をやぶってベスト8に行こうと(誓った)。その為になにができるかを必死に4年間やってきた。(ベルギーに負けた)あの試合まだ僕は見られていなくて…だいたい試合は見返すんですけど、まだ見ていなくて。一応、この4年間タブレットに入っているんです。大会が始まる前に見たいとは思っています。あの経験があったから、この大会で結果が出せたという大会にしたい」
 

あの忌まわしき記憶を、若き仲間たちと払拭する時はもうすぐそこに来ている。
 

(FNNプライムオンライン11月12日掲載。元記事はこちら

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