小さく生まれても1人で悩まないで…赤ちゃんの母親ケアする「リトルベビーハンドブック」【佐賀発】

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佐賀県が1500グラム未満で生まれた赤ちゃんとその家族などに配っている「さがリトルベビーハンドブック」。この制作に深く携わり、小さく生まれた赤ちゃんの母親などが集まるサークルの代表をつとめる女性を取材した。

“母親・家族の精神的な負担”を軽くしたい

江口玉恵さん:
育児はひとりでするものではないので、もっとまわりに理解する人がいるよ、つらいときにはつらいって言っていいんだよ、ということを伝えたい


県が2021年4月から体重1500グラム未満で生まれた赤ちゃんとその家族などを対象に配っている「さがリトルベビーハンドブック」。


生まれたときの体重が2500グラム未満の場合、「低出生体重児」と分類され、1500グラム未満の場合は「極低出生体重児」と分類されることもあり、その母親や家族の精神的な負担を軽減することなどを目的に作られた。


県こども家庭課によると、2020年は県内で6004人の赤ちゃんが生まれていて、そのうち50人が体重1500グラム未満で生まれた。

江口玉恵さん:
いろんな思いを抱えている早く小さく生まれた赤ちゃんのご家族がいるんだっていうことと、そこからたくさんの方に理解していただくきっかけになればいいなと思います


ハンドブックの表紙の絵を描いたほか、内容について意見するなど、制作に大きく関わったのが佐賀市の江口玉恵さん(40)。今から3年ほど前、江口さんは低出生体重児の母親などが集まった会で、当時から静岡県で配布されていたリトルベビーハンドブックの存在を知った。


江口玉恵さん:
(県内で)育児に対して前向きになれず、ひとりでふさぎ込んでいるお母さんがいたら、これ(リトルベビーハンドブック)を使ってほしいって思いがあって、県の方に(制作を)要望しました

心の中で「ごめんね」…傷ついた経験を生かして

江口さん自身も2012年、予定日より2カ月ほど早く長男を出産した。生まれた長男の体重は1458グラム。

江口玉恵さん:
(長男がしていたのは)ものすごく小さいおむつだと思うんですけど、それすらぶかぶかで、(体に)いろんな管がついていて「とんでもないことをしてしまったなぁ」って、心の中で「ごめんね」ってしか言えなかったです

江口さん自身も2012年、予定日より2カ月ほど早く長男を出産した
江口さん自身も2012年、予定日より2カ月ほど早く長男を出産した

交付されたときはうれしかったという母子健康手帳。長男を出産してからは、その母子健康手帳で傷つくこともあったという。

江口玉恵さん:
「ハイハイをしますか?」とか(月齢ごとに)発達の質問があるんですけど、答えが「はい」か「いいえ」しかないので「できない(いいえ)」が続くと、早く産んでしまったから(「はい」と)書けないんだって


母子健康手帳との併用を想定したハンドブックには、江口さんの経験が反映されている。

江口玉恵さん:
いろいろ発達の段階を追っていく項目があるんですけど、これができた日を書き込んでいくことで発達をずっとお母さんも追っていける


また、現在の母子健康手帳は赤ちゃんの体重が1kg未満や2kg未満の場合に書き込めないことが多いのに対し、ハンドブックは0グラムから書き込めるようになっている。


ひとりで悩まないで…サークルで思いを共有

このほかハンドブックには、県内の低出生体重児の家族などが提供した、たくさんのメッセージが載せられている。

江口玉恵さん:
同じように思ってがんばっているお母さんもいるし、それを経験したお母さんもみんな味方だよっていうのを伝えたいです


ハンドブックの裏表紙に書かれた「Nっ子ネットワーク佐賀pianpiano」。江口さんが2019年に設立したサークルで、これまで県内の低出生体重児の母親や医療関係者など約40人が活動に参加した。

江口玉恵さん:
もしかしたら(昔の自分と)同じようにひとりでふさぎ込んでいるお母さんとかもいるかもしれない、それならその思いを共有して、なんでもない話を気軽にできて集まる場所をつくりたいなと思ってサークルを立ち上げることにしました


活動に参加している人も、サークルがあったことで救われたという。

参加者(唐津市から):
ずっとひとりで悩んでいたこともあって(子供が)小さく生まれたからですね、でも参加してみて一緒の境遇の方と話すようになって、少し気持ちが楽になったので、参加してよかったなと思いました


11月、佐賀市で小さく生まれた赤ちゃんの写真やその成長の様子を写した写真などを集めた写真展の開催を予定しているpianpiano。江口さんはこれからも母親たちとの交流を持ち、まわりに理解を深めてもらうため、活動していきたいという。


江口玉恵さん:
いつでも関わり合える、来たいときにママが必要としたときにいつでもつながり合える場をつくるっていうことと、写真展の活動などを通してたくさんの方に早く小さく生まれてもがんばっているお子さんや家族のことを知っていただきたい

(サガテレビ)

(FNNプライムオンライン11月14日掲載。元記事はこちら

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