第8波到来か…インフルエンザ同時流行も懸念 気がかりはワクチン効果の減弱【静岡発】

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本格的な冬が近づく中、心配されるのが新型コロナの感染拡大だ。2022年は前年よりもインフルエンザの流行のリスクが高いといわれている。新型コロナのこれまでとこれからを、静岡県の新型コロナ対策専門家会議の座長・倉井華子医師に聞いた。

子供のワクチン接種


感染者数が増える中、子供のワクチン接種の対象が拡大された。静岡県内では2022年3月から、5歳から11歳を対象に始まった。そして10月24日には生後6カ月から4歳以下についても国が承認した。ファイザー社製のワクチンが使われ、接種量は12歳以上の10分の1だ。

-感染拡大防止にワクチン接種が大きな役割を果たしている。ただ、乳幼児となると、不安に思う保護者も少なくないはず。保護者からは副反応が不安という声もあったが接種することで安心をという声もあった。有効性や必要性はどう考えるか


倉井医師:
小児科学会が詳しい見解を出していますが、効果に有効性が高いことが示されています。副反応に関しては、ワクチンが含まれていない製剤と比べてほとんど差はなかったことが示されています。接種するメリットが副反応のデメリットを上回ると私たちは考えています。注射した所がはれるなど、局所の反応は約20%あるといわれていますが、重大な副反応は非常にまれだと報告されています

インフルエンザとの同時流行


本格的な冬を前に、心配されているのがインフルエンザの流行だ。2022年は南半球でインフルエンザが流行したうえ、水際対策の緩和で外国人の往来が増えている。


静岡県の専門家会議でも対応を心配する声が出ており、県健康福祉部の後藤幹生参事は「もしこの2万5000人が同時に、最大ピークで発生した場合はとても医療機関では検査しきれない。新型コロナやインフルエンザの検査がマンパワー的にできないと思う。過去2年間とは事情が違い、警戒が必要」としている。

-同時流行した場合にできることは


倉井医師:
家庭や職場でのリスクを確認してほしいです。また、症状が出た場合にどうするかシミュレーションしておくことも大切です。

2022年は前年よりもインフルエンザの流行のリスクが高いといわれています。事実としてオーストラリアは前年に比べかなり高いピークがありました。またヨーロッパもすでに流行が始まっているので、同時流行があり得るのではないかと思います。両方同時に罹患するということも非常にまれですがありうると思います。ただそういった症例が国内ではないので、症状が重くなるかわからないのが現状です

新型コロナ対策のロードマップは


人と人の接触を断つ、「人流抑制」。街から人の姿は消え、往来を抑制する動きも進められた。マスクをつけて送る生活は、いまや日常だ。


しかし、ワクチンや治療薬、そしてこれまでの感染対策もあって出口を探る議論が本格化しつつある。

財務省は、財政制度等審議会の財政制度分科会に対して、ワクチン接種の全額国費負担を見直すべきと提案した。審議会の増田寛也会長代理は「他のワクチン接種と比較して、特例的な措置は今後廃止していく方向で検討すべき」と話している。


また、新型コロナ対策分科会の尾身茂会長は「中長期のロードマップを見据えつつ、まずは第8波を乗り越えなくてはならない。気がかりなのはワクチン効果の減弱」としている。

-元の生活には戻るのか


倉井医師:
完全に新型コロナ前に戻るというのは難しいと思います。今後、インフルエンザと同じように常に横にある生活が続きます。一定の方は重症化して罹患して命を落とす人も出てきます。そうした人たちを守るために何ができるか考えなければいけないと思います。

まずは自分がかかったときに重症化するかどうか、身の回りに重症化しやすい人がいるか分析する必要があります。そのうえでワクチンが必要か、発症したときに病院にすぐ行くべきなのか、どういう場面でリスクがあるのか、一つずつ検討し、より安全な所から解放していき、感染状況が増えるのかどうかという検証が必要だと思います。個人と国の両方がやっていかなければいけないことだと思います。

倉井華子医師
岐阜県出身。県立静岡がんセンター 感染症内科部長で県の新型コロナ対策専門家会議の座長

(テレビ静岡)

(FNNプライムオンライン11月16日掲載。元記事はこちら

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