アマゾンも…米IT業界で相次ぐ大規模な人員削減 日本に必要なのは「雇用確保」か「流動性」か

経済・ビジネス

アメリカのネット通販最大手「アマゾン」も、大量解雇の方針だ。

アマゾンも… 米IT業界で相次ぐ大規模な人員削減

現地メディアは、アマゾンが今週中にも、過去最大規模となる約1万人の解雇に踏み切る方針と報じた。


人工知能の「アレクサ」などを扱う端末部門や、人事、小売り部門などが対象となる見通し。アマゾンの9月までの3カ月間の決算は、人件費の高騰などが原因で、前の年の同じ時期と比べて減益となっていた。


アメリカのIT業界では大規模な人員削減が相次いでいる。メタ社は1万1000人以上、ツイッター社を買収したイーロン・マスクCEOも、従業員の約半数の解雇を明らかにしている。

“正社員増=経営リスク”となる日本…雇用確保と流動性 求められる議論

Live News αでは、(株)キャスター取締役CROの石倉秀明(いしくら ひであき)さんに話を聞いた。


三田友梨佳キャスター:
アマゾンの人員削減、経営者である石倉さんの目には、どのように映っていますか?

(株)キャスター・石倉秀明 取締役CRO:
1万人削減と聞くと非常に大きいですが、アマゾンは全体で(物流部門や倉庫部門なども含めて)約154万人が働いていますから、削減されるのは約0.6%なんです。メタ社やツイッター社などに比べると、かなり割合は小さい。

アレクサのような、なかなか立ち上がらない部門の整理、というのが実態に近いのではないかと思います。

ーーアマゾンのケースは、先に人員削減を発表したメタ社やツイッター社などとは事情が異なるということですね?
そもそも事業領域に合わせて、組織の作り方も違います。
例えば、フェイスブックやツイッターなどのSNSだと後発もどんどん出てきますし、そのたびに追加機能の開発や、新しい価値を提供し続けるために人員を増やす必要性が高いです。しかしアマゾンのEC(=電子商取引)やクラウド事業の場合、事業の伸び以上に人を抱える必要性は低い。

また広告モデルの事業と違って、ECやインフラ事業というのは、景気影響は比較的に受けにくいのもあると思います。ただ広告などに比べて、やはり利益率が低いというのもありますが、アマゾンは創業以来、徹底的にコスト管理をすることでも知られているので、その体質の違いもあるかもしれない。


ーー事業領域に合わせて雇用のかたちが違うということですが、そもそも日本の働き方とも、かなり異なっていますよね?
日本はアメリカなどと違って、ほぼ解雇できない。これは雇用を守る要素については強いメリットがある反面で、事業拡大のチャンスがあったとしても、景気が悪くなった時のことを考えると、人を増やすことがイコール経営リスクとしても高くなる側面もある。 

結果として人を増やす際に、“非正規で雇用する”という選択をとる会社も少なくない、というのも現状あると思う。

ーー正社員での採用を増やすと、それが経営上のリスクになってしまう。これは働く人にとっては、なかなかつらい現実ですよね?
景気が悪くなって雇用削減しているタイミングでも、逆に伸びている会社というのもあるわけです。いまアメリカで人員削減の対象になっている人というのは、このタイミングで逆に積極的に採用している会社に移動しているということ。

日本は今のような「雇用重視」で流動性が低い方がいいのか、もしくはアメリカなどのように、環境の変化に合わせて、人が必要とされている領域に自然と人が流れていくようなかたちがいいのか、もっと腰を据えて議論してもいいのではないか。

三田友梨佳キャスター:
人材の流動性が高いことによって、強い経済・産業構造が作られるのかもしれませんし、解雇された方は複雑な思いもあると思います。
各社事情は違うとはいえ、今後もアメリカのIT企業で人員削減の波が続くのか、注視していきたいと思います。

(「Live News α」2022年11月15日放送分)

(FNNプライムオンライン11月16日掲載。元記事はこちら

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