田舎の美しさや幸せをおすそわけ 「お客さんは家族」“憩いの場”を手作りで【愛媛発】

地域 旅と暮らし

愛媛・八幡浜市の瀬戸内海沿いの地区に、自然を愛して移住した地域おこし協力隊メンバー、そして生まれ育った場所で「作りたい」と菓子店を開いた人がいる。
そんな「田舎」を愛する人たちを取材した。

地元食材を生かした“変態ちっくなカレー”

名護谷希慧アナウンサー:
波の音が気持ちよく響いています。八幡浜市内でも唯一瀬戸内海に面している「磯津」という地区です。あちら、木製の倉庫のような場所にお邪魔します


かつては農業用倉庫だったという建物を使った海の家「浜辺のDEN」。地域おこし協力隊の中野智周さん。


名護谷希慧アナウンサー:
今ここにあるの何ですか?

中野智周さん:
オリジナルのスパイスで作ってるスパイスカレーです。15、16種類くらいのスパイスを入れて。きょうは野菜のカレーなんですけど

今が旬のカブやニンジン、ナスなどたっぷりの野菜に、ハモのだしを利かせたリジナルカレー。中野さんは、2021年10月から、ここでスパイスから手作りのカレーを販売している。


名護谷希慧アナウンサー:
スパイスから、ゼロからですよね

中野智周さん:
そこが楽しみのひとつです。いい意味で「変態チックなカレー」だねって言われます。あれとあれ入れとけば絶対おいしい普通のカレーができるのに、あえてそうせず、ちょっと変なもの、特殊なものを入れて、あぁ変な味になったなぁみたいな(笑)


中野智周さん:
この地域は全体的に高齢の方が多くて、集まる場所を提供する人もなかなかいなくて、僕自身もコロナ禍にこっちに移住してきたっていうのもあって、地域の方とふれあう場所がほしいなと思って

中野さんが作った“憩いの場”に、さっそく地元のおかあさんが。

名護谷希慧アナウンサー:
いつも来られるんですか?

地元の人:
そうなんですよ。楽しみなんですよ。香辛料で作ったのは、都会じゃないと味わえないから


“都会のカレー”を求めて、おかあさんのお友達も続々と集まってきた。

地元の人:
みんな近所、「あした行こなぁ」いうて楽しみにして。なぁ、夕べ。なぁ

中野智周さん:
これ、ターメリックなんです、喜木津(地元)でとれたターメリックもちょっと入ってるます


名護谷希慧アナウンサー:
えっ、喜木津でとれるんですか

中野智周さん:
ウコンがなんかそこらじゅうに生えてて

地元のターメリックを使ったごはんに、紫キャベツのラぺを添えて彩り豊かな一食に。


名護谷希慧アナウンサー:
野菜それぞれの味もしっかり感じますね、ごろごろ入っているので食感がいいです。スパイスかな。香りがすごくいい

スパイスを利かせながら、地元・南予地方で好まれる甘めのまろやかな味わいに仕上げた。

中野智周さん:
大丈夫ですか?きょう食べられます?

地元の人:
これ、うまい


中野智周さん:
本当です?よかったです

店には、生まれてまだ3カ月の赤ちゃんの姿も。

赤ちゃんの母親:
顔見てもらって、ありがたいです


ふれあいが生まれる地域の皆さんの大切な場所。

名護谷希慧アナウンサー:
そもそも八幡浜に、磯津地区に来ようっていうのはどうしてですか

中野智周さん:
瀬戸内海のそばで仕事したいなって思いがあって、コロナ禍もあって移住を考えていたので。静かだったり、星も初めて見た時にびっくりするくらい見えたり。田舎暮らしができる、すてきな所が続いてほしいなと思うので、そこを守ることが僕にできることかなと思っています


8年かけて完成した夢のカフェ

そんな中津さんが紹介してくれたのは、自身と同じく地元愛が深いという方。

名護谷希慧アナウンサー:
ここなんですね、見た目はおうち?でもここに、お店の看板が。おっ、並んでますね、お菓子が

並ぶのはクッキーやマフィンなどの焼き菓子。「おかし屋 ShanShan」地元出身・二宮香織さんの菓子工房だ。


「体に優しい」がモットーのお店の看板商品は、おとなり・伊方町の海で育まれた藻塩「黒め塩」を使ったスコーン。塩の旨みとまろやかさが味の決め手。


中野智周さん:
1.5人分くらいですけど、野菜のカレーになってます

二宮香織さん:
わかりました。ありがとうございます


名護谷希慧アナウンサー:
カレーをどうされるんですか?

二宮香織さん:
今週の土曜日のベーグルの日に、スパイスチーズカレーベーグルで出します

この菓店のもうひとつの看板商品がベーグル。全国各地から注文が入るほどの人気の味。


二宮香織さん:
自分の畑で採れたカボチャです。ちっちゃい赤ちゃんカボチャだとかわいらしいし、どんどん育っていくともっとかわいくなっていって

8年ほど前、生まれ育ったこの地で店を始めた二宮さん、海を見ながら働くことが夢だったという。


二宮香織さん:
田舎って何もなくてつまらないってよく聞くんですけど、田舎の美しさとか自然の豊かさ、採れたものがすぐ食べられる幸せ。あれ?これが一番幸せなんじゃないかなて思ったんで、これをもっとみんなにおすそわけできたらいいなと


田舎の幸せの“おすそわけ”。それが、二宮さんの作る味。

名護谷希慧アナウンサー:
(ベーグルが)すごい。もちもちふわふわなのが見て分かる。おいしい。やわらかい。あと、この香り。ちょっと香ばしい香りとカボチャの香り、ふんわり香ってきます。本当に優しい、素材のままという感じ


二宮香織さん:
作りたくてしょうがない、いろんなものを作りたい欲求です。欲ですね

二宮さんの「作りたい」欲はこんなカタチにも。

名護谷希慧アナウンサー:
カフェ!おしゃれですね

年明けのオープンへ向けて、ただいま準備中。アンティーク調の新しいカフェ。


カフェの中にあるレトロなタイルは二宮さんが自ら貼り付け、床や壁の塗装も自分で手がけたとか。


二宮香織さん:
どこにもない壁、日本中探してもどこにもないです、この色合いと風合い

名護谷希慧アナウンサー:
すごい、ここだけ!

二宮香織さん:
ナンバーワンとか興味ないんです。唯一無二


名護谷希慧アナウンサー:
オンリーワン?

二宮香織さん:
そう!それが好き。手作りすると、オンリーワンなので


オンリーワンなカフェで、現在試作中のモーニングセットをいただいた。

名護谷希慧アナウンサー:
お野菜がいっぱいで彩りがとってもよくて、見ているだけでウキウキしてくるプレートです


トマトのはちみつマリネやカボチャの南蛮漬けなど、地元産の新鮮食材がたっぷり。メインは畑でとれた旬の野菜に、ハチミツとマスタードであえたサツマイモ、塩こうじにつけた豚肉をベーグルで挟んだサンドイッチ。

名護谷希慧アナウンサー:
すっごいシャキシャキ、お野菜が。サツマイモの甘さと豚肉のうまみがとっても濃いです。それぞれがしっかり存在感があっておいしい


二宮香織さん:
最初からこれ(カフェ)を目指してやってきて、やっとベーグルで遠くから人がきてもらえるようになったので、やっとできるかなって


二宮香織さん:
田舎すぎて、わざわざ来てもらえるものが作れるまで、8年かかりました。ちょっと疲れた時に癒やされに来るような、ほっこりした場所にしたいです。お客さんは家族なので

(テレビ愛媛)

(FNNプライムオンライン11月17日掲載。元記事はこちら

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