「広場化」が世界トレンド 大阪ミナミで官民連携のマーケティング調査【大阪発】

経済・ビジネス

“滞在時間を長くすれば、売上げアップするのか?!” 11月12日、大阪ミナミで開催された「道頓堀リバーフェスティバル」で、官民連携でスマホ利用のマーケティング調査が行われた。

 

吉村洋文 大阪府知事:
ミナミといえば大阪の顔です。ミナミが元気になるっちゅうことは、大阪が元気になる。素晴らしい大阪の魅力をどんどん高めていきましょう

 

大型ステージが設置されたなんば駅前広場を中心に、街全体がお祭り会場となったイベント。実はその裏で、大阪の未来を占う、官民連携の壮大な実験が行われていた。

滞在時間”増”で売り上げアップ?!

地域活性化を目的に、2012年から行われているイベント「道頓堀リバーフェスティバル」。祭りが開かれる2日前、会場となる場所には、難しい議論をする人たちの姿があった。

大阪市建設局 小松靖朋課長:
大阪市内以外の方がどのぐらい来ているのか、そういう分析もしたいと思います
中央区商店会連合会 千田忠司会長:
それ出せる?アンケート配る?ここらで
大阪市建設局 小松課長:
いや、スマホでデータを取れるんです

 

集まっていたのは、地元の商店街や大阪市の担当者たち。ミナミ一体で行われるこの祭りを利用して、“あるデータ”を検証しようとしているのだ。


ミナミ御堂筋の会 絹原一寛さん:
回遊を促したり、滞在時間を長くすることが消費につながるというデータが出ているので。それで実際どれぐらい(効果が)出るのかウォッチしたり、滞在時間がどれぐらい変わるのか、データを取ってみたい


彼らが注目したのは、広告会社が行った、「消費」と「行動」の関係を調べる調査。駅ビル利用者を対象に聞き取りしたところ、買い物意欲があって滞在時間が短い人よりも、意欲がなくても滞在時間が長い人の方が、購入金額が高かったのだ。


この調査結果から、「ミナミでの滞在時間が増えれば売り上げもアップする」と仮説を立てたが、ミナミにはある課題が…

大阪市建設局 小松課長:
なんばの駅前ですが、赤いところに人が偏っている。白いところに人が行かれてないと


課題は“駅前だけ”に人が集まり、町全体に人流が行きわたらないこと。駅前から歩いて5分ほどの場所でも、平日は人の気配がなくガランとしている。

ピザ店 店主:
基本的にこの通りは、ミナミのエリアや電気街と比べたら人は少ないですね。そんなに恩恵を受けない立地ではある。だから店のファンを作らないと、フラッと立ち寄ってもらえるお客さんがいなくて…


街全体に人を巡らせて滞在時間を増やせば、売り上げは上がるのだろうか。行政と地元商店街がタッグを組んだ大実験が始まった。


イベント当日 来場者は?

迎えた当日、メイン会場となったのは3年後に歩行者天国化される「なんば駅前広場」。広々とした空間は、人でいっぱいになった。
駅前からの人の流れを作ろうと、湊町リバープレイスや道頓堀川などに設置した12個の会場も大盛況となった。


来場者は…:
広々としてるし、ご飯もあるし。お祭りとかも減ってるから、やっぱりみんなで遊べるのは喜んでますね


また、ミナミの名所15カ所に設置されたスタンプラリーも、人々が歩き回るきっかけとなった。

来場者は…:
久しぶりに黒門市場の中に行きました。あんまりコロナのとき、行けてなかった。
(Q:使うお金は増えました?)
いや、今のところはまだ。今手に持ったら大変やから、帰りにいろいろ買って帰ろうかなと


 コロナ前に戻ったかのようににぎわったミナミの街。課題となっていた駅前以外の場所では…

ピザ店 店主:
いつもの土日と比べたら、人通りが多くなったと体感してます。お店の前を通っていただいたときに、「こんなお店があったんだ」と知ってもらえるチャンスではあるので。人通りが多くなるのは、店としてはすごいうれしいです


 夕方になっても、ミナミの街からにぎわいが消えることはなかった。

大阪市建設局 小松課長:
やっぱりここの場所のポテンシャルはすごいですね

ミナミ御堂筋の会 絹原さん:
肌感としては、圧倒的に消費が増えているんじゃないかという気はしますね。すごい人の流れも多くなってますし。これから検証しますけど、どういう結果になるのかなと

戎橋筋商店街振興組合 山本英夫 事務局長:
久々に街らしく、ミナミらしくなったなと。いろんな事やってきたけど、全然うまくいかなかったんですね。これを「仕組み」にしていく、「持続」していくことが大事だと思います


 

「広場化」の流れは世界でも

 2025年に歩行者天国となることが決まっているなんば駅前。駅前広場だけでなく、ミナミ全体に人の流れを作ろうという実験は、スタンプラリーなどの効果もあってか、普段は人通りの少ないエリアもにぎわせたようだ。


 こういった「広場化」を核とした街づくりが、今、世界のトレンドになっているという。

 アメリカ・ニューヨーク市のタイムズスクエアは、車道を広場に整備したことで人の往来が増え、歩行者数が35パーセント増える結果になったということだ。
 ニューヨーク市では2008年以降、65カ所を広場化する計画が進められ、これによって売り上げが47パーセント増えた地域もあるそうだ。


 大阪では官民が連携して挑んだ“大実験”。年明けごろに出る検証結果が、ミナミの、大阪の街づくりを変える、大きなきっかけになるかもしれない。

(関西テレビ「報道ランナー」2022年11月14日放送)

(FNNプライムオンライン11月18日掲載。元記事はこちら

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