「学校が楽しいと言ってくれる環境を」 公立夜間中学英語教師の一日に密着【福岡発】

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2022年4月、九州で初めてとなる公立の夜間中学校が開校した。10代から80代まで32人の生徒が通う、その名も「福岡きぼう中学校」。


英語科の教師、守部尚先生(43)。同僚からの信頼も厚い人気者の先生だ。


女性職員:
とても熱心で真面目で面白い方です

男性職員:
一見、クールに見えるんですが、教育に対して熱い思いを持っている方だなと


そんな守部先生だが、いま夜間中学ならではの問題に直面している。

生徒1人1人にあった指導方法を模索

開校から半年を迎えた夜間中学。試行錯誤の日々を送る教師を通して、九州初の公立夜間中学を覗かせてもらった。

福岡市の夜間中学校に務める守部先生。教師歴は5年で30代後半までは民間企業などで働いていた。


守部尚先生:
会社員をやっている時に新人教育とかやったのがとても面白くて、人を育てるって面白いなと思ったから、この世界に入った


守部先生は、かつて仕事で海外営業に携わっていたことや学生時代に留学した経験を生かし、2018年、福岡市立中学校の英語教師となった。そして半年前、この中学校に赴任。


福岡きぼう中学校は、さまざまな理由で義務教育を十分に受けられなかった生徒のほか、外国籍の生徒も全体の1割を占める九州初の夜間中学校だ。

授業開始前、職員室ではー。

村川先生(国語科):
ボールは投げたことある?と聞いたら、う~んって

守部尚先生:
ボールも投げたことない


村川先生(国語科):
月曜日は1、2時間目が体育で、3、4時間目が日本語だけど、来ないかも

守部尚先生:
来ないですね、絶対

村川先生(国語科):
体育を理由に来ないかも

体育の授業に消極的な生徒への対応について2人は話し合っていた。

守部尚先生:
毎日考えますよね、どうしていきます?というのは。自分だけじゃ解決できないので、色んな先生方と話をしながらやってます


ーー体育の授業に出ない生徒は?

守部尚先生:
いまは、放っておく。助けないわけじゃないんですけど、いまは、ちょっと自分でやらせてみる時期かなと思います

生徒それぞれにあわせたベストの指導法は何なのか?教師たちが知恵を出しあい、日々、解決策を探っている。

人一倍生徒思いな先生

午後6時。夜間学校の授業が始まる時間だ。ほとんどの生徒の撮影が難しいなか、特別に廊下から授業の様子を撮影させてもらった。


守部尚先生(英語授業):
HALO~

ユーモアを取り入れた守部先生の授業スタイル。授業を受ける生徒の反応は?

生徒・五十嵐登代子さん(71):
持ってる雰囲気がいいなっていつも思っています。こうしたら良いよってことをストレートに仰って下さいますね。こういうことを聞いたら、ちょっと恥ずかしいかなって思うことがあっても、すぐ答えて下さる


学び直しを目的にさまざまな世代が通う夜間中学。守部先生から見た生徒の印象は?

守部尚先生:
学ぶという姿勢からすると昼間の中学校とは比べものにならないくらい、みなさん勉強に対する意識がとっても高い。結構、スローなペースであるけど、そういう生徒を教えるっていうのは面白いですよ


授業が終わるのは、午後9時過ぎ。守部先生、帰宅するかと思いきやー。

守部尚先生:
3月に学校を卒業させた生徒から相談事があったので、話を聞いてから帰ろうかと思います

2022年3月まで勤めていた学校の教え子に会いに行くとのこと。


守部尚先生:
これは“仕事”じゃないんで、自分がしたくてやってることだから。私たち教員は、そこに問題を抱えて悩んでいるんだったら手助けしてあげたい。手助けした上で前に進んでもらいたい


人一倍、生徒思いの守部先生に「福岡きぼう中学校」での目標を訊ねた。

守部尚先生:
「学校が楽しい」と言ってくれる環境を作ることがやりがいかも。学んでいる人の年齢層が幅広いけど、「楽しい中学校」を作ることをやりがいにしています


全国の夜間中学は、10月時点で15都道府県に合わせて40校が設置されていて、今後新たに8県で開校が決まっているという。

(テレビ西日本)

(FNNプライムオンライン11月18日掲載。元記事はこちら

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