「もし島根原発で事故が起きたら…」自家用車使った大規模避難訓練で見えてきた課題

地域 社会

12日に実施された島根原発での事故を想定した大規模訓練。今回は2年ぶりに住民が参加、自家用車での避難を想定した訓練も初めて行なわれた。
一方で、想定しなかったトラブルによる影響など、避難計画をめぐり、いくつかの課題も浮き彫りになった。

住民参加で自家用車を使った大規模な訓練

訓練には約1,000人が参加、コロナ禍で住民の参加は2年ぶり。今回初めて取り入れられたのが、自家用車を使った避難訓練。


島根・雲南市吉田町の道の駅たたらば壱番地では、県の担当者が車両に放射性物質が付着していないかを検査するための手順を確認した。

訓練に参加した住民:
検査をして除染をするところを具体的に確認出来て、良かった


避難の対象は、島根原発から30km圏内の松江、出雲、鳥取県西部の米子、境港など島根・鳥取両県6つの市のあわせて約46万人。その避難先は、原発から30km圏外の県内の自治体のほか、県境を超えた岡山県、広島県でも受け入れる計画。


訓練に参加した住民:
本当の災害の時には何台の車が流れてくるのか、それを考えると動かなくなるのではと思った

避難者の9割の利用が想定される自家用車。避難計画では、地域ごとに経由するルートが決められているが、運転するのは住民自身。今回の訓練では、避難途中に思わぬトラブルも発生した。


例えば、避難ルートになっている山陰道で事故が発生し、境港市と米子市の一部住民が迂回を余儀なくされたケースや、松江市から飯南町へ向かう住民が道を間違え、検査場への到着が遅れたケースも。訓練には、課題を洗い出し、計画の実効性を高める狙いもあった。

島根県・丸山知事:
常に(避難ルートを)認識して覚えているのがいいが、うまくいかない方もいるので、いざという時に確認できるようなものを配ることをしようと思う


このほか、バスでの避難でも、境港市では、先導用のパトカーがバスの通路をふさいで停車、警察官が車内にキーを残したまま自動ロックがかかったのが原因で、住民を乗せたまま、出発が1時間余り遅れたケースもあった。


こうした「想定外」のトラブルをいかに想定に入れていくかが今後の課題といえそう。

大人数の避難に受け入れ側から不安の声も

一方、避難をめぐっては別の課題も。

庄原市議会:
島根原発2号機の再稼働については、安全性の確保や、避難計画の実行性に関する課題が山積している


県外での受け入れ先のひとつ、広島県庄原市。2022年3月、市議会が島根原発2号機の再稼働に反対する決議を可決した。背景には、島根県からの避難住民の受け入れ計画には多くの問題があるという市民からの指摘もあったという。

庄原市議会・近藤久子議長:
(議員が)「自治振興センターに130人来るようになっているけど、どうなの」と聞くと、いやいや、どうやって受け入れるのかと不安の声も漏れてくる


現時点で、庄原市の受け入れ体制は整っていないと指摘する。庄原市が受け入れるのは、松江市の八雲地区の6,810人。市の人口の約2割にあたる数。公民館や大学キャンパスなど23の施設で受け入れる計画。


ただ、避難所の開設・運営についての市のマニュアルは2021年2月に策定されたばかりで、市民や関係施設への周知はまだこれからという状況。


庄原市議会・近藤久子議長:
自治体同士の連携をもっとしっかりして、避難する人を受け入れないとは言っていない、受け入れるならどうすればよいのか、もう少しきちんとした対応ができるようにしないと困る


国際情勢の緊迫により、原子力災害のリスクも高まるなか、住民をどのように安全・迅速に避難させるか。今回の訓練であぶり出された課題を教訓に、避難計画の実効性を高めていくことが県などには求められている。

(TSKさんいん中央テレビ)

(FNNプライムオンライン11月19日掲載。元記事はこちら

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