「JRと県の合意なしにトンネル掘削は・・・」リニア新幹線 2027年開業は困難か 【静岡発】

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リニア新幹線に関してトンネル工事の影響を議論する国の有識者会議が2022年11月開かれ、山林所有者は「JRと静岡県の合意形成なしにトンネル掘削を認められない」と話した。両者のトップは9月の県庁、11月のリニア試乗と面会が続いているが、県内の工事が始まる気配はない。

国の有識者会議がヒアリング

都内で開かれた国の有識者会議
都内で開かれた国の有識者会議

リニアの工事をめぐっては、自然や生物に与える影響について国の有識者会議で議論が続けられている。5回目となった11月16日の会議にはトンネル予定地の山林を所有する企業が招かれ、工事に対する考え方を説明した。

南アルプス
南アルプス

その中で所有者側は「自然環境の保全」は大前提との認識を示し、「JR東海と県・利水者などとの合意形成が出来ていない現段階では、トンネルの掘削は認められない」との考えを明らかにした。

南アルプスの草花
南アルプスの草花

一方で事前の調査に向き合うJR東海の姿勢は評価し、「環境保全措置の確実な実行を求めいくら対策しても、自然環境に影響するリスクは残る」として、その点は受け入れる考えを示した。

静岡県・森貴志 副知事
静岡県・森貴志 副知事

静岡県・森貴志 副知事
(JR東海には)トンネルを掘るにあたり絶対に守らなければならないというものを意識しながら、それを着実に進めてもらう。流域住民も含め、疑問や不安を払拭してもらえるような回答を求めていく

 

 

関係者へのヒアリングは今回で一区切りとなり、有識者会議は今後 議論の軸や論点について整理を進める方針だ。

2027年開業めざしたが…

リニアをめぐる議論について整理しておく。

リニア新幹線のこれまでの経緯
リニア新幹線のこれまでの経緯

そもそも1973年に国が東京と大阪を結ぶ基本計画を決定した。いまから49年前のことだ。
その後 山梨県に実験線が建設され、1997年に走行試験が始まった。
2011年には国がルートを決定し、JR東海に建設を指示する。

リニア新幹線のこれまでの経緯
リニア新幹線のこれまでの経緯

そして、工事の影響を調べる中でJR東海は2013年に「大井川の流量が最大で毎秒2トン減少する」という試算を公表した。この水問題と生態系への影響に関する協議が今も続いている。
2018年に静岡県が専門部会を設置し、2020年に国が有識者会議を設け、議論が続けられている。

JR東海・金子社長は静岡県庁を訪問(2022年9月)
JR東海・金子社長は静岡県庁を訪問(2022年9月)

このところ、静岡県とJR東海のトップ同士の面会が相次いだ。
2022年9月にはJR東海の金子社長が県庁を訪れて、川勝知事と直接話し合った。

川勝知事がリニア試乗 JR東海・金子社長が説明
川勝知事がリニア試乗 JR東海・金子社長が説明

また11月には川勝知事が山梨県の実験線でリニアに試乗し、JR東海・金子社長が自ら説明役を務めた。時速500kmの世界を体感し、川勝知事はその技術を高く評価していた。
静岡県は沿線の都府県でつくるリニア中央新幹線建設促進期成同盟会への加盟を申請し、2022年7月に認められた。

JR東海「2027年開業は難しい」
JR東海「2027年開業は難しい」

現在 工事は静岡県以外の6都県で始まっている。ただ静岡県以外の地域でも、工事現場での事故や用地交渉の難航など様々な問題が出ている。
いまだ静岡工区で、計画していた工事に着手できないでいる状況を受けて、JR東海の金子社長は、品川~名古屋間で当初予定していた「2027年開業は難しい」との見方を示している。
JR東海と静岡県のトップ同士の信頼関係が深まり、膠着状態が動き出すことはあるのだろうか。

(テレビ静岡)

(FNNプライムオンライン11月20日掲載。元記事はこちら

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