副業で農林漁業に取り組む「半農半X」 参加者と共に“地域課題”解決へ【秋田発】

地域 暮らし

「半農半X」は、地方で自分の本業を継続しながら、副業で農林漁業に取り組む新しい兼業のスタイル。秋田・にかほ市では、農作業を手伝うだけでなく、さらに一歩進んだプログラムが行われている。キーワードは「地域課題の解決」。その取り組みを取材した。

リモートで働きながら「農作業」

秋田県は、関係人口の拡大や農業の担い手の確保などを推進するため、2021年から「半農半X」のモニター調査を行っていて、2022年は八峰町とにかほ市でモニター調査を実施。このうち、にかほ市では、農作業を手伝うだけでなく、さらに一歩進んだプログラムが行われている。

地方で自分の本業を継続しながら、副業で農林漁業に取り組む「半農半X」
地方で自分の本業を継続しながら、副業で農林漁業に取り組む「半農半X」

にかほ市寺田の齋藤農園では…。

「ここら辺は取ってもいいな。これも取ってもいいかもしれない」「これだったら大丈夫?」「大丈夫OKOKOK。これはまだ早い。これちょっと早め」

パイプハウス内でのスプレーギクの収穫作業
パイプハウス内でのスプレーギクの収穫作業

パイプハウスでスプレーギクの収穫作業をしているのは、半農半Xのモニター調査に参加している、東京都の田野倉正規さん(39)。

東京から「半農半X」に参加・田野倉正規さん:
デスクワークをずっとやっている仕事なので、そこからすると(腰に)きますけど、農家さんと話しながら一緒に作業していると楽しいですし、農業ってこういうことなんだなということがいろいろと分かって、新しい気付きもあって面白いです


齋藤農園では、コギクやスプレーギクなど約30種類のキクを年間20万本出荷していて、8月から10月の繁忙期には、インターネットで1日バイトを募集するほど忙しくなるという。

齋藤農園・齋藤とし子さん:
毎年人手不足で…。(半農半Xのような)やり方ができれば、すごく理想


普段は都内でマーケティング関連の仕事をしている田野倉さん。今回は同僚2人とともに、にかほ市で2週間、キクのほかイチジクやネギの収穫作業を手伝いながら、リモートで本業もこなしている。

提供:一般社団法人ロンド
提供:一般社団法人ロンド

東京から「半農半X」に参加・田野倉正規さん:
私たちが今回参加させてもらったのは本当に短い期間で、初めてのことなのでお手伝いレベルだと思うんですけど、段階的にでも農業にかかわりながら、生産者さんだったり、高齢化が進む農地の問題とかを解決できるような糸口につながっていくようなことを考えられたらと思っている


地域の課題を“一緒に”解決へ

田野倉さんたちは今回、「農業の手伝い」以外に課題が与えられている。それは、にかほ市の地域課題の一つである、農業の後継者の育成などについて解決策を提案するというもの。

東京から「半農半X」に参加・田野倉正規さん:
山と海と水は地域の資源としてすごく豊かですし、改めて地域の魅力とか、どういう風にしたら盛り上げていけるのかとか、最終レポートでもディスカッションしたいと思っています


10月28日、秋田県やにかほ市の担当者なども参加し、課題解決のプレゼンテーションが行われた。

東京から「半農半X」に参加・田野倉正規さん:
企画の概要としては、あるようでなかった観光型農業人材育成プログラム。にかほの魅力を感じながら半農半Xをすることによって、例えば、冬場に農作業がない時期に、他の仕事をするのではなくて人材育成の仕事をしてもらう

田野倉さんは「親方制度」を提案した
田野倉さんは「親方制度」を提案した

田野倉さんが提案したのは、地域の農家が、就農に興味がある人の「親方」になり、作業のない冬場は座学や合宿で農業経営やノウハウを教え、春から秋の農期には実践・教育するという「親方制度」。

東京から「半農半X」に参加・田野倉正規さん:
こんなことができると、農家さんがずっと農業ができて、またさらに人とのつながりもできて、新しい仕事も生まれたりするんじゃないかと


秋田県農山村振興課・佐藤大祐課長:
おそらくこの3人の方は、今後もずっとにかほ市に貢献し続けてくれるんだろうなと、そんなことを思います。これからは、人が住むかどうかということ以上に、地域のことを真剣に考えて課題解決に向けて動く人、これが本当に大事だと思っているので、半農半X事業というのはまさに地域の課題に一緒に向き合う人を増やしていく、そんな事業に育っていくのかなと思っている

(秋田テレビ)

(FNNプライムオンライン11月20日掲載。元記事はこちら

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