朝・昼・夜で“別の店”…3人の店長で営業回す古民家カフェ シェアオフィス併設カフェから進化のワケ【愛知発】

地域 旅と暮らし

愛知県半田市にある築60年以上の古民家に2021年、カフェがオープンした。このカフェは、朝・昼・夜で店が変身し、店長も変わるという不思議なカフェだ。なぜこうした形になったのかを取材すると、さまざまな偶然と地元を盛り上げたいという仕掛人の思いがあった。

半田市のおしゃれな古民家カフェ ガレットなどランチメニューが人気


愛知県半田市の半田赤れんが建物から半田運河まで続く紺屋海道(こんやかいどう)。江戸時代に、物流の要衝として栄えた通りで、今も当時の面影を残している。


その通り沿いに、築60年ほどの1軒の古民家がある。


昼に訪れると営業していたのは「Cafe konya(カフェ・コンヤ)」。全18席で、外観とは違い清潔感ある落ち着いた雰囲気だ。


この時間帯はランチメニューが人気で、厨房は大忙しだった。

人気メニューは「ガレットランチ」(1200円)。地元産のそば粉「知多美人」を配合したガレット生地に、チーズと卵、そして国産もち豚のももハムを包んだ料理で、女性客を中心に人気の一品だ。


女性客:
あまりおしゃれなものを食べたことはないから、おいしいなと思って食べてました

女性客:
すごくモチモチしてて、おいしいです

スタッフ:
そば粉が入っているらしいんですけど…

女性客:
(そばの)風味がしますね

コーヒーも、地元の名店が焙煎して作り上げたオリジナルブレンドだ。ハンドドリップで丁寧に抽出する。「週がわりコーヒー」(440円)。


ティータイムにはスイーツも食べられる。この日は「ガトーショコラ(アイスクリーム付)」(500円)。


しっとりしつつ、濃厚なカカオが利いた一品だ。

朝は「モーニング」夜は「バー」 訪ねる時間によって顔が変わる不思議な店


3時間前の朝9時、この店に昼はいなかった人が働いていた。


ドリンクに220円足すと注文できる、たっぷりベーコンが乗った「ベーコンチーズトースト」(ドリンク代+220円)。


「ツナコーンチーズトースト」(ドリンク代+330円)にゆで卵やバナナ、ヨーグルトまで…。


「モーニング」のメニューだ。

朝の店長・濱口よしえさん:
パンの方も、やはり地元のパン屋さんのイギリス食パンを使ってお出ししています。ここでちょっとゆっくりほっこり、朝のひとときを過ごしていただけたらなと思ってやっております


日も暮れかけた午後5時に訪ねてみると、また働いている人が変わっていた。


明治時代に半田で製造されていた「カブトビール」の復刻版「カブトビール(明治)」(770円)や…。


知多半島のクラフトビール「OKD(各種)」(950円)など、地元を代表する地ビールを飲むことができるバーに変身していた。


フードメニューも、「ザワークラウト」(300円)や「きのこのマリネ」(500円)など、おつまみ系はもちろん…。


地元産の野菜をふんだんに使った「konyaカレー」(880円)や、


昼とは違う厚切りベーコンや柴漬けを使った「konyaガレット」(1000円)もあった。


夜の店長・佐藤優子さん:
ゆっくり自分の時間を楽しむ。例えばカップルで来るならお二人の時間を楽しむっていう時間を提供できるように。くつろぎをっていうのは、一応気をつけて接客はしております


この古民家は、朝・昼・夜で店主もメニューも変わる、不思議なお店だ。

「シェアオフィスにカフェを」…昼のみのはずがいつしか1日中営業に


店のオーナーは、昼の店主でもある、地元・半田市出身の橋本仁さん(53)。


なぜこういった店ができたのか、橋本さんに聞くと、2階へ案内してくれた。


オーナーの橋本仁さん:
こちらのエリアがシェアオフィスになっております。契約者さんが使っていただく専用のロッカーがあるのと、あと正面にある複合機で印刷とかコピー。インターネットもWi-Fiで使い放題となっております

2階には約20畳のシェアオフィスが広がっていた。


古民家には似つかわしくない、最新の複合機やインターネット設備も完備されている。


橋本仁さん:
シェアオフィスを作るにあたって、1階にカフェを作ろうというふうに思いました

橋本さんの本業は、OA機器の出張修理や販売などを行う会社で、その社長だ。


新しい事務所を探していたところこの古民家を見つけ、一目ぼれし、思わず買ってしまったという。


しかし、実際に事務所を設立すると、思ったより部屋が余ったため、ならばシェアオフィスもやろうということにしたという。


橋本仁さん:
知多半島という土地柄でいくと、どうしても名古屋に働きに行くっていう環境の場所でもあるので、地元、自宅の近くで開業したりとかお仕事していただくためには、こういったベッドタウンのところにオフィスがあった方がいいんじゃないかなと思って

半田など知多半島に住む人たちが、電車に乗って都心までいく手間や時間を省けるところにチャンスを感じて作ったという。橋本さんが言うには「知多半島初のシェアオフィス」だ。そうした計画の延長線上に生まれたのが、3人の店長が入れ替わる「カフェ」だった。


橋本仁さん:
シェアオフィスをやるにあたっては、ここに来る契約者さんたちに対してお食事の場とか、打ち合わせの場というのが提供できるっていう意味で、当初午前11時~午後5時の営業で開始をする予定にしておりました

シェアオフィスの利用者をターゲットに、打ち合わせや憩いの場として昼営業のカフェをスタート。すると、シェアオフィス以外の人からもSNSや口コミで人気が出始めた。


橋本仁さん:
このエリアではなかなかそういった飲めるところがないので、仕事終わりの一杯ができるような環境も作りたいと思って、やっていただける方が見つかり、その方に今やっていただいております

こうして昼営業に加え、午後5時から11時までの夜営業もスタート。そして…。


橋本仁さん:
いろんな方に「カフェなのにモーニングはやらないんですか」という声がやっぱり多くてですね、ふだん通われていた濱口がやってみたいということで、モーニングの担当をとしてやっていただいております。結果的なんですが、3人の店長で1日の営業を回すって形になっています

シェアオフィスの憩いの場から始まり、話がどんどん大きくなり、橋本さんの人脈もあいまって、昼、夜、そして朝の順に、3人の店長による3つの顔を持つカフェとなった。


モーニングの営業は月曜と金曜のみ、昼と夜は水曜休みで営業している。

地元のおいしいものとビジネスで活気を 目指すは「半田市をにぎわう街に」


シェアオフィスユーザーに話を聞いてみると…。

シェアオフィスユーザーの男性:
近くでこういったシェアオフィスっていうのは他になかったので、契約させていただきました。オフィスもちゃんとしたネットワーク構築されているので、使いやすいオフィスだと思います。来たときには下で注文をして飲み物とか飲んだりするので、利便性としてはすごくいいなと思います

さらに、このシェアオフィスでアートのワークショップを開いたり、地元アーティストのライブも開催。ふるさとを盛り上げる活動も、古民家を舞台に盛んに行っている。


ちなみに、昼に出していたケーキを作ったのはパティシエの石川恵里さん。このお店で働きながら、スイーツの企画製造の会社を起業した。


石川恵里さん:
ここでノウハウとカフェの経営とかも教えてもらって、自分のお店をいつか持ちたいなというのが夢です

橋本仁さん:
基本的に起業された方の困ることとかは僕の方で一通り経験はして知っているので、少しでも助けになればと思っています

地元のおいしいものを提供し、ビジネスで活気も。橋本さんの知多半島を盛り上げるビッグプロジェクトは、まだ始まったばかりだ。

橋本仁さん:
こういったシェアオフィスでカフェと併設されているので、こういったものを便利に思っていただいて、半田市をしっかりにぎわう街にできたらいいなと思っております

(東海テレビ)

(FNNプライムオンライン11月22日掲載。元記事はこちら

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