2030年代に迫る“太陽光パネル”大量廃棄…丸紅とSOMPOが中古事業でタッグ 再循環に一役

経済・ビジネス

2030年代に大量廃棄が始まる太陽光パネルの再利用を促すため、丸紅とSOMPOホールディングスが、中古パネルの販売を開始する。

2030年代に始まる大量廃棄…中古パネルで商社と保険会社がタッグ


丸紅は、発電事業者などから買い取った、使用可能な中古パネルの性能・使用履歴などの情報を管理するシステムを運営し、SOMPOホールディングスが中古パネルに保険を付けて、2023年度から販売すると発表した。 

販売価格は、状態によっては新品の半額程度になるとしている。故障しても、保険で同等のパネルと無償交換できる。


使用済み太陽光パネルの廃棄量は、2030年代後半には、2020年の約280倍にあたる年間80万トンに迫るとの試算もある。

丸紅は中古パネルを活用し、循環型社会を目指すとしている。  

保険会社と異業種で“三方良し”の新ビジネス 今後の動きにも期待

このニュースについて「Live News α」では、早稲田大学ビジネススクール教授の長内厚(おさない・あつし)さんに話を聞いた。


三田友梨佳キャスター:
太陽光パネルの中古販売、どうご覧になりますか?

早稲田大学ビジネススクール 教授・長内厚さん:
太陽光パネルは20年程使用が出来ますが、長年使っていると発電能力が下がるため、性能のよい最新型のものに置き換えようという動きがあります。

このビジネスのポイントは、中古品の品質管理を商社が行いながら、一定の故障リスクを保険でカバーするという、「商社+保険会社」という新たな組合せによるサービスのスキームをつくったところ。
これによって商社と保険会社、さらにお客さんの“三方良し”のビジネスが成り立っていると言えます。

三田友梨佳キャスター:
脱炭素に向けたエネルギーだからこそ、“つくりっぱなし”や“使い捨て”ではない、持続可能な取り組みですが加速するといいですね。

早稲田大学ビジネススクール 教授・長内厚さん:
太陽光パネルこそ理想のエネルギー源ではないか、と思われがちですが、ただこの太陽光パネルにも様々な課題が残されています。

例えば多くのギガソーラーは、故障した不稼働パネルはそのまま放置してしまうケースがあります。今回の取り組みによって、稼働しない設置場所の減少につながる可能性もあります。

また、中古パネルを使い続けることで、廃棄パネルを減らすことにもつなげられます。
さらには、中古品の活用によって、新規パネルの生産も抑制できるので、生産に必要なエネルギーの利用による環境負荷の軽減にも期待できます。


三田友梨佳キャスター:
そうした課題解決の取り組みは重要ですが、ビジネスの視点からは、どんなことが期待できますか?

早稲田大学ビジネススクール 教授・長内厚さん:
イノベーションとは、技術に限らず、新たな組合せによる新たなビジネスを生み出すこと。
今回の場合、「商社と保険会社」という新たな組合せで新たなイノベーションを起こそう、という取組みはとても興味深いです。

昨今、電機メーカーと保険会社が提携して、ドライブレコーダーで、自動車事故の事故調査の負担を軽減する試みもあります。

保険会社の異業種との組合せによる新たなイノベーションは、今後も期待できるのではないでしょうか。

三田友梨佳キャスター:
カーボンニュートラル実現のためにも欠かせない太陽光発電ですが、普及の陰で見落とされがちなのが、この廃棄の問題なんですね。
運用だけではなくて、リユースやリサイクル、こうした取り組みの重要性を強く感じます。

(「Live News α」2022年11月21日放送分より)

(FNNプライムオンライン11月22日掲載。元記事はこちら

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