ずっと非課税の「新しいNISA」は資産形成にどう影響?株式・投資信託を選ぶ時のポイントと合わせて聞いた

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2024年から「NISA」(少額投資非課税制度)が拡充されるが、気になるのがその影響だ。新しいNISAでは年間の投資枠が増えたほか、非課税で保有できる期間が無期限になった。

2024年から始まる「新しいNISA」の概要
2024年から始まる「新しいNISA」の概要

生涯で保有できる金額には上限ができたが、投資した商品を売却することで、空いた分の非課税枠を再利用(改めて利用)できる。

「長期的な目線の投資」に期待

現行の制度からパワーアップしたこともあり、投資に興味を持った人もいるだろう。新しいNISAで想定される影響や投資をする時のポイントを、日本証券業協会の担当者に聞いた。


――新しいNISAの内容をどう受け止めている?

現行のNISAは時限措置という不安定さを抱えることもあり、複雑な制度設計とせざるを得なかった部分がありました。(新しいNISAでは)制度の恒久化・非課税保有期間の無期限化をはじめ、年間投資上限額の大幅増、枠の併用、売却による投資枠の再利用も行われます。

これは我が国の税制上で画期的なことで、極めて高く評価されるべきものです。証券業界・資産運用業界としては、今後、官民一体となって、資産形成に関する金融経済教育を推進しつつ、NISA制度の円滑な移行や更なる制度の普及に取り組んでまいりたいと考えています。

長期的な目線の投資が広がるか(画像はイメージ)
長期的な目線の投資が広がるか(画像はイメージ)

――非課税保有期間が無期限になることはどう?

現行のNISAは非課税保有期間が終了すると、原則は課税口座に払い出されるため、「その前に売却しなければ」と考える方もいたと思います。また、ロールオーバーの手続きもわかりにくく煩雑でした。今回の無期限化で、長期的な目線で投資をしていただけるようになるものと期待しています。

現行のNISA・ロールオーバーの例(日本証券業協会のサイトより)
現行のNISA・ロールオーバーの例(日本証券業協会のサイトより)

※ロールオーバー=一般NISAやジュニアNISAで非課税期間(5年)が終了した際に、保有している金融商品を、翌年の新たな非課税投資枠に移行(移管)すること。

――年間の投資枠が増え、生涯の投資額に上限ができたことはどう思う?

投資の経験や経済状況はそれぞれ異なると思いますが、年間投資上限額の拡大には、退職金などで得た資金をある程度まとめて投資することが可能になるなど、投資の幅が広がるのではと思います。また、生涯の投資額の上限は、資金余力が大きい高所得層に対する際限なき優遇とならないよう、設けられたと理解しています。その分、売却による投資枠の再利用が可能となりましたので、中間層を中心とした層にとっては資産形成に利用しやすい制度になったと思っています。

株式投資の魅力(日本証券業協会のサイトより)
株式投資の魅力(日本証券業協会のサイトより)

――株式市場にはどんな影響が出そう?

米国では資産形成支援制度を通じた長期・安定的な家計からの資金流入が、市場の需給構造に良い影響を与えていると考えられます。今回のNISAの恒久化・抜本的拡充により、長期・安定的な資金流入が促進されれば、市場の需給構造の安定化に資することが期待されます。


――新しいNISAに期待したいことは?

新しいNISAが、国民にとって利用しやすい安定的な資産形成支援制度として、中間層の資産所得倍増に重要な役割を果たしていくことを期待します。

投資は経済を支える一面も(日本証券業協会のサイトより)
投資は経済を支える一面も(日本証券業協会のサイトより)

金融商品はどう選べばいい?投資する前に覚えておくべきこと

新しいNISAで想定される影響については分かった。では、そのような中で投資初心者はどのような点に留意すべきなのだろうか? 


――投資を始める時に覚えておいてほしいことは?

証券投資は余裕資金でするもので、生活資金を取り崩したり、借金をしてすべきものではありません。金融商品は価格が変動しますが、ドル・コスト平均法(定期的に一定額投資する方法)などでリスクを抑えることも可能ですので、あまり怖がりすぎないで考えていただきたいです。証券投資は、時間を味方につけて長期で行うのがおすすめです。短期の結果に一喜一憂せず、長期で考えてほしいです。

金融商品はリスクとリターンがそれぞれに違う(日本証券業協会のサイトより)
金融商品はリスクとリターンがそれぞれに違う(日本証券業協会のサイトより)

――金融商品を選ぶ上でのポイントは?

いつまでにどのぐらいの収益を期待するのか、自分は値下がりのリスクをどのくらい許容できるのかなどで考えてはいかがでしょうか。株式、債券、投資信託と金融商品には多くの種類があり、リスクもさまざまです。特徴をよく知ることが大事です。


――株式を選ぶ上でのポイントは?

株式は各企業が設定した優待や配当金をもらえますので、優待品や配当金で選ぶ人も多いです。まずは身近な企業や応援したい企業に投資してみてはいかがでしょうか。

投資信託の仕組み(日本証券業協会の資料より)
投資信託の仕組み(日本証券業協会の資料より)

――投資信託を選ぶ上でのポイントは?

投資信託は株・債券など複数の資産で構成され、商品ごとに特徴が全然違います。何の資産に投資することになるのか、どの国・地域に投資することになるのかなどは、購入前に確認して選ぶことをお勧めします。運用方針も大切です。投資信託のタイプは大きく「インデックス」(指数への連動が目標)と「アクティブ」(指数を上回る成果が目標)に分かれます。自分に合うかを考えてもいいと思います。


――投資に興味を持った人に伝えたいことは?

投資は自分の資産形成のためだけでなく、経済成長を支える一面もあります。投資を通じて企業にお金が回ることで、新しいサービスや工場、仕事が生まれる循環にもつながります。持続可能な社会の形成のためにも投資が必要なことは、覚えておいていただけるとうれしいです。



新しいNISAでは長期的な投資、経済の活性化が期待できるかもしれない。一方で投資は余裕資金でするもので、商品の特徴を理解することも必要だ。日本証券業協会のサイトでも基礎知識が公開されているので、勉強してみてもいいだろう。

(FNNプライムオンライン1月3日掲載。元記事はこちら

https://www.fnn.jp/

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