地震も豪雨もない日に土砂崩れ…原因不明の災害から救助された男性が語る“恐怖”【山形発】

社会

大晦日に山形・鶴岡市で発生した大規模な土砂災害では、巻き込まれた住宅に住んでいた夫婦とみられる2人が亡くなったとみられている。大地震や豪雨など直接的なきっかけが無い中、なぜ土砂崩れは起きたのか。

地域住民も危険を認識していた中…

2022年12月31日午前1時ごろ、鶴岡市西目で集落の裏山の斜面が幅約100メートルにわたって崩落し、住宅など約10棟が倒壊した。


記者:
山形県鶴岡市上空です。土砂が大きく崩れています。警察・消防による懸命な捜索活動が続いています


この土砂崩れで、80代男性と70代女性の夫婦が行方不明となり、周辺の8世帯には避難指示が出された。


金山自治会・安倍長一会長:
一刻も早い救助と無事を願うだけ。捜索に当たってくれた方々は本当にありがたいと思います

駆けつけた警察や消防、自衛隊など250人以上が、夜を徹して、必死に捜索を続けるが…。


記者:
1日午後5時ごろ、雪がちらついています。日中は強い雨が降る時間帯もあり、作業は非常に難航しています


強い雨と雪で捜索は思うように進まない。そして、発生から約55時間後、捜索開始から3日目の朝。土砂の中から男女2人の遺体が見つかった。遺体は損傷が激しく、1月2日現在、DNA鑑定での身元の確認が進められている。

大規模な土砂崩れはなぜ起きたのか?地元の人に聞きいてみるとー


地元住民:
昔からいる人は(山腹に)亀裂が入っていることは見た目にもわかっていたから。「危ないな」とは思っていた

左が47年前 右が7年前
左が47年前 右が7年前

土砂崩れ現場の航空写真を見比べてみる。47年前に撮影された写真と7年前に撮影された写真を比べると、山を切り開いて土地を造成し、そこに住宅が建てられたことがわかる。


説明会に参加した付近の住民:
あそこ(崩落現場)が50年ぐらい前に、切り出された・開拓された部分だったので、昔からの集落とは性格が違う場所。そんな場所はほかにもあるので、そういう場所の安全性も点検してほしい

鶴岡市では12月、500mmを超える、12月としては観測史上最多の降水量を記録していた。

大晦日に現場を視察した吉村知事はー


吉村知事:
(土砂災害警戒区域など)イエローゾーン、レッドゾーンは、かなり県内各地にあるので、大雨・大雪の時に即避難できるようにしておいていただきたい

県内には今回と同じような土砂災害警戒区域などが8,600カ所以上あるとしたうえで、その区域に住む人に対し、いち早い避難を改めて呼びかけた。

土砂から救助された男性が語る

そして、山から崩れてきた土砂に巻き込まれながら救助された男性がいる。男性がカメラの前で語ったのはあまりに突然だった災害の恐怖と連絡がとれていない夫婦への思いだった。


加藤省一さん:
1番最初はゴーっという音、竜巻かと思った瞬間、バリバリと建物が壊れ始めた


加藤省一さんは大晦日の未明、自宅2階で寝ている時に土砂に巻き込まれた。

加藤省一さん:
(時間は)夜の12時半ごろ、しばらくしてサイレンが鳴って近づいて来る何かがあった「助けて」と言い続けた

自宅が倒壊し、身動きが取れない状況の中で、加藤さんは必死に助けを求めたという。


加藤省一さん:
(固定電話の)子機をいつも枕元に置いている、その明かりで、ここにいると伝えた

手元に残ったのは小さなカバンひとつだという
手元に残ったのは小さなカバンひとつだという

その後、駆けつけた消防に救助された加藤さん。自宅を失い、手元に残ったのは小さなカバン1つだけだが、それでも必死に前を向く。

加藤省一さん:
もう過ぎたことだから、きのうのことはもう忘れる。年齢が年齢だし、きょう、きのうのことはすべて忘れようと。あしたの希望、それだけで生きていく

そんな加藤さんがずっと気にかけているのが、今も連絡が取れていない高齢の夫婦。


加藤省一さん:
30分くらい呼び続けたが、返事はなかった、レスキュー隊には「もう2人いるから」と伝えた


加藤省一さん:
(亡くなったのは高齢夫婦で)間違いないと思う。気さくな人たちだった、いろいろなものをいただいたり、そういう関係だった。(今回の災害は)恐ろしいの一言

「こんなことは自分だけにしてほしい」加藤さんは、土砂崩れの原因が究明され今後の教訓としていかされることを願っている。

(さくらんぼテレビ)

(FNNプライムオンライン1月6日掲載。元記事はこちら

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