「解散前の増税判断も」と新藤氏。長妻氏は「与野党での少子化対策提言」を呼びかけ

政治・外交


いわゆる「防衛増税」の是非を国民に問う衆院解散・総選挙の実施時期について、自民党の新藤義孝政調会長代行は8日、フジテレビ系『日曜報道 THE PRIME』(日曜午前7時30分)で、解散前に増税の判断をすることもあり得るとの認識を示した。

「あたかも解散してからでないと増税をしないかのように受け取られているのは違う。増税のタイミングが選挙の前なのか後なのかは、その時の状況による」と述べた。

防衛費増額の財源を賄うための増税をめぐっては、同党の萩生田光一政調会長が、昨年12月25日の同番組で「明確な方向性が出た時には、国民に判断してもらう必要も当然ある」と述べ、衆院の解散・総選挙で信を問うべきだとの考えを示している。

岸田文雄首相は4日の年頭記者会見で「税が上がる前に選挙があることも、日程上、可能性の問題としてありうる」と述べた。

岸田首相が「挑戦する」と打ち出した「異次元の少子化対策」をめぐり、立憲民主党の長妻昭政調会長は、同番組で子育て支援策充実の必要性と同時に生涯未婚率上昇の問題に言及。「30代の独身男性の7割が、また30代独身女性の77%が親と同居している」と指摘、住居費の高さや実質賃金の低迷が未婚、ひいては少子化につながっていると強調した。

長妻氏は、月内に召集される通常国会を「子ども国会」と位置づける考えを表明。「少子化対策機運が盛り上がっている。徹底的に与野党で提言をして何とか子育て予算をきちんと確保していく」と述べ、与野党での協議に言及した。旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の被害者救済に向けた自民、公明、立憲、維新の4党協議が念頭にあるとみられる。

自民党の甘利明前幹事長が少子化対策強化の財源をめぐり消費増税に言及したことについて、番組コメンテーターの橋下徹氏は、徹底的な行財政改革と、教育完全無償化など“異次元の少子化対策”の打ち出しを前提に一定の理解を示した。

政治が少子化対策として国民に増税を求める条件のひとつとして橋下氏は、各党合計で281億円超(2021年末)に上る政党交付金の残金(内部留保)をはき出すよう求めた。

以下、番組での主なやりとり。

梅津弥英子キャスター(フジテレビアナウンサー):
岸田首相が4日の年頭記者会見で「異次元の少子化対策に挑戦する」と表明。関係省庁による新たな検討会議を設置し、識者や子育て当事者、若者の意見を聞き、3月末をめどに対策のたたき台を作る方針だ。

新藤義孝氏(自民党政調会長代行、元総務相):
直近の合計特殊出生率は1.36だが、人口を安定的に維持できる「人口置換水準」は2.06だ。問題は、置換水準を達成したとしても実際に人口減少が止まって横ばいになるまでには60年かかる。仮に(出生率を)今後10年で0.3ポイント、20年かけて0.6ポイント上げて2%に近づけて、2040年に置換水準を達成できたとして、そこから実際に60年経って人口が減るのが止まるわけだ。要するに私たちは100年後の未来をプログラムされている。だからこそ一刻も早くやらなければならない。子どもを育てるためにただ資金的な、経済的な支援をするだけで果たして子どもを産むモチベーション(になるか、それは)、ひとつではあるが、やはり総合的な対策が必要だ。

長妻昭氏(立憲民主党政調会長、元厚労相):
対GDP(国内総生産)比で、日本の子育て予算は欧州の半分くらいしかない。これをハンガリー(の施策)も見習って徹底的に増やしてもらう。日本の少子化対策の方向性が的外れなのは原因をきちんと分析していないから。50年前、結婚したカップルが子どもを産む数は平均で2.22人だった。今は1.9人だ。減ってはいるが、ほとんど減っていない。つまり何が問題かというと生涯未婚率だ。50歳時の男性の生涯未婚率は3割。3割まで増えるのはもう少し先だと言われていたが、今の時点で3割になってしまった。人口問題研究所と議論して驚いたが、日本では30代独身男性の7割が親と同居している。30代独身女性も77%が親と同居している。親と同居しているということは家賃がかからない。そうした人たちがカップルとなり結婚するとなると、住居費が非常にバカ高い。先進国で一番高いから。

松山俊行キャスター(フジテレビ政治部長・解説委員):
新しく居を構えるとなるとハードルが高い。

長妻氏:
そうだ。賃貸でも持ち家でも(家賃や価格が)バカ高い。あるいは賃金が非常に安い。つまり親と世帯を分離して結婚すると確実に生活レベルが下がる。そういう状況ではなかなか(結婚)できない。(少子化を)解決するにはその視点が重要だ。1つは住宅。持ち家比率が高い国ほど出生率が上がらないと言われている。日本は持ち家政策至上主義で若い人は家を持てない。良質な賃貸物件をたくさん増やしていく(ことが必要だ)。特に若い人をターゲットに実質賃金を上げていく(ことも必要)。もう1つは人権。人権教育が日本は非常に少ない。働き方を含めて自分の権利なのだと声を上げてもらう。選択の自由を確保するような政策を促していく。そのような視点が欠落している。もちろん結婚したくない人に強制することはしない。アンケートをとると、結婚したいという人は相当多い。でも、それが実現できない。その壁を取り除くことにも相当力を入れてもらいたい。これからも提言をしていきたい。

橋下徹氏(番組コメンテーター、弁護士、元大阪府知事):
1%ほどの消費増税を国民にお願いするなら、その代わりに徹底した改革をやる(べきだ)。新藤さんと長妻さんに見てもらいたいが、各政党には2021年末で281億円超の政党交付金の残金(内部留保)がある。立憲民主党は企業の内部留保はダメだとして、それを吐き出させなければいけないと言っている。自民党も新しい資本主義で言っている。まずは自分たちの政党に溜め込んでいる、この税金で集めている金(政党交付金の余剰)を吐き出してから、そこからの改革だと思う。

松山キャスター:
新藤さんに聞く。前回この番組で萩生田政調会長は防衛増税について、少子化対策なども含めてだと思うが、仮に大きな増税をするのであれば国民の信を問わなければならない、と言って解散・総選挙が必要との考えを示した。新藤さんはどういう考えか。

新藤氏:
政調会長は明確に理解しているが、解散・総選挙は総理が考えることだ。それについて何かコメントしたわけではない。増税で信を問うのは、増税の前に信を問うのか、それとも増税をした後で信を問うのか、それはその時のタイミングによる。あたかも解散してからでないと増税をしないかのように受け取られているのは違う。そのことは岸田総理も私も明確に確認している。これだけの大きな問題を行うわけだから必ず信を問うことになる。しかし、増税のタイミングは選挙の前なのか後なのか、これはその時の状況によるということを理解してもらいたい。

橋下氏:
長妻さん、与野党が一緒になって少子化対策をきっちりやらなければいけないが、これを実現すると、岸田政権の支持率が爆上がりすると思う。それでも野党として進めていくか。

長妻氏:
もちろんいいのではないか。我々も岸田さんの背中を押して押して、今回(の通常国会は)、「子ども国会」だと思う。少子化対策の機運が盛り上がっているので徹底的に(議論して)与野党で提言をして、何とか子育て予算をきちんと確保していく。結婚したい人が結婚できない、その壁を取り除く。これを今まで政府はやっていないので、徹底的にやっていきたい。繰り返しだが、(通常国会を)「子ども国会」にしていきたい。

橋下氏:
日本のために与野党で強力に異次元対策をやってもらいたい。

梅津キャスター:
子育て支援だけではなく、子どもを産む前の段階での具体策にも注目したい。

長妻氏:
そこが重要だ。(政府の政策は)そこが抜けている。

(FNNプライムオンライン1月8日掲載。元記事はこちら

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