収穫から焼き上げまでこだわり「焼き芋」が人気 元学校の先生がサツマイモ栽培で農園起業【宮城発】

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この時期のおいしいものの一つに「焼き芋」があるが、宮城県山元町の津波で被災した土地で、サツマイモが栽培されている。生産しているのは元学校の先生。ともにバスケットボールに打ち込んだ後輩と農業に取り組んでいる。

津波被害の地で育つ、甘~いサツマイモ

宮城県山元町で獲れる農水産物の直売所「やまもと夢いちごの郷」。この時期はイチゴや、リンゴ、ホッキ貝など、町を代表する旬の食材が店頭に並ぶ。そんな中で、この時期目立つのが「やきいも」の、のぼり。


おひさま村農園 三橋智幸さん:
きょう、これは20袋


焼き芋の材料となるサツマイモを生産しているのは、町内の「おひさま村農園」。鈴木仁一さんと三橋智幸さんの2人で営んでいる。

おひさま村農園代表 鈴木仁一さん:
サツマイモは結構な量を出荷しても、間違いなくほぼ完売


「おひさま村農園」のサツマイモは、山元町の沿岸部で栽培される。ここは津波の被害を受けた場所だが、震災後、町などが農地として整備した。


2022年、秋に行われたサツマイモの収穫。「おひさま村農園」では2022年、紅はるかなど約17トンのサツマイモを収穫した。収穫後は鈴木さんの自宅敷地内に設けた大きな貯蔵庫で寝かせる。


おひさま村農園代表 鈴木仁一さん:
収穫してすぐはまだ糖度が低いというか甘くないので、それを長期間保管することでデンプンを糖に変えていく

 

 

一定の温度と湿度を保ち、数か月単位の時間をかけて、サツマイモの甘味を熟成させていく。焼き上げは専用のオーブンで。ここにもよりおいしくなる理由がある。


おひさま村農園代表 鈴木仁一さん:
データとしては60~70℃の温度帯でいちばん甘みが出てくる。通常よりも低い温度で1時間半ぐらいかけてじっくり焼き上げる

 

 

収穫から焼き上げまで手間暇かけた、おひさま村農園の焼き芋をいただいた。

寺田早輪子 アナウンサー:
すごい幸せ…サツマイモで作ったスイーツいただいているみたい!


バスケ仲間と一緒に農園起業

サツマイモだけではない。春の山菜取りに始まり、初夏の頃にはブルーベリー。そして秋にはサツマイモとほぼ同じ時期にイチジク、そしてユズと「おひさま村農園」は1年を通して農作業に追われる。

代表の鈴木さん、実は7年前まで学校の体育教員だった。実家がリンゴ農家だったこともあり、農業に転身したが、そこには決意もあった。

おひさま村農園代表 鈴木仁一さん:
震災後の人口って1万ちょっと。本当に過疎化してきているし、そういった意味でぜひ山元町を盛り上げたいし、人を呼び込みたい


そんな時、鈴木さんが声をかけたのが、地元で一緒にバスケットボールの指導をしていた三橋さんだった。

おひさま村農園代表 鈴木仁一さん:
中学校・高校・大学、さらに社会人になってチームメイトだったし、三橋さんの人柄とかいろんな能力とか、そういうところをよく知っていたので、だからこそ、他の誰かではダメなんですよ

 

 

当時、IT関連企業のサラリーマンだった三橋さん。すぐに返事をしたそう。

おひさま村農園 三橋智幸さん:
自分の都合で前の会社を辞めるつもりでいたので、農業は全く別の世界だったんですけども、もちろん働かないと暮らしていけないので、新しい世界にちょっと飛び込んでみようかなと、一緒にやってみようかなと。まあ、知った仲なので


2人で始めた「おひさま村農園」。力を入れているのは、鈴木さんがやりたかった、町に人を呼び込む体験型の農業ツアー。

東京からの参加者:
サツマイモって…上に積んでいっていいんだ?

地元の人:
いいです

 

 

この日は東京からの体験希望者の他、鈴木さんの教員時代の仲間も参加。「紅はるか」の収穫体験を行った。


おひさま村農園代表 鈴木仁一さん:
「今何取れてますか?」「何買えますか?」「また行ってみたいです」とか、「今行ったらなんか体験できますか?」とか、リピーターの人が増えてきてる。すごくやりがいもあるし、うれしい、ありがたいっていうことですよね。だからそれをどんどん増やしたい


(仙台放送)

(FNNプライムオンライン1月11日掲載。元記事はこちら

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