古川聡宇宙飛行士を戒告処分 JAXA研究“データねつ造”
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12日午後2時、謝罪会見に臨んだ宇宙飛行士の古川聡さん(58)。
宇宙飛行士・古川さん「さまざまなご助言をくださった方々の信頼を損ねてしまった責任を痛感しております。心より深くおわび申し上げます」
現役の宇宙飛行士が、異例の謝罪。
いったい何があったのだろうか。
古川さんは2011年、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の宇宙飛行士として、国際宇宙ステーションに、およそ5カ月半滞在した。
その古川さんが、12日に謝罪した問題。
それは、医師でもある自身が、責任者を務めた研究での不適切な行為。
JAXAは、2016年から2017年にかけて、国際宇宙ステーションを模した施設で研究を実施。
あわせて42人の研究対象者が、5回にわたって施設に2週間滞在し、どのようなストレスが出るかを調べた。
ところが、その研究で、多数の不適切な行為が発覚。
1つは、データのねつ造。
被験者に対する面談を実際は研究者2人で行っていたところ、3人で実施したとして、架空の診断結果を記載していた。
さらに、データの改ざんも発覚。
面談による精神心理の診断結果が書き換えられていた。
しかし、こうした行為をJAXAが把握し、文部科学省に報告したのは、研究から4年がたった2021年のこと。
問題発覚後、高市大臣は「研究には税金が投入されている」として、JAXAの対応に苦言を呈した。
高市科学技術相「JAXAの対応は非常に遅いと思います。(責任者の古川さんが)すべてを見ることができなかったということについて、私は、はなはだ疑問に感じております」
12日の会見で、古川さんは、不適切な行為を把握できなかった理由を、次のように説明した。
宇宙飛行士・古川さん「当該行為は精神心理専門家である同僚の職員に、役割分担としてお願いした部分で起きてしまった。仲間を信頼するが、念のために確認することの重要性を再認識した」
JAXAは、理事長など役員3人と、研究開発員を処分。
古川さんについても、戒告処分とした。
古川さんは、早ければ2023年、アメリカの宇宙船に搭乗し、国際宇宙ステーションに長期滞在する予定。
(FNNプライムオンライン1月12日掲載。元記事はこちら)
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