スマホそっくりのただの“黒いアクリル板”を発売!?防水も完備…どこにコストがかかったのか製作者に聞いた

暮らし

2023年は一体どんなスマホが登場するのか楽しみにしている人もいると思うが、これまでのスマホとは全く違うコンセプトを体現した“デバイス”が発売される。

(出典:エコードワークス)
(出典:エコードワークス)

表も裏もフラットで漆黒のデザインは、いかにも人気のスマホにそっくりだが、実は真っ黒なただのアクリル板なのだ。

(出典:エコードワークス)
(出典:エコードワークス)

この製品「AcryPhone(アクリフォン)」は、“愉快な無用品”を発明するエコードワークスが1月下旬に発売する「スマートフォン型アクリルデバイス」。

サイズは、高さ146mm×幅71mm×厚さ8mmで重さ約100gとなり、iPhone14(146.7mm×71.5mm×7.80mm 172g)とほとんど同じ大きさ。スマホ用の保護フィルムやケースなどの市販アクセサリーでのカスタマイズも楽しめるという。

気になる値段は、iPhone14が11万9800円(税込)からなのに対し、AcryPhoneは3300円(同)からとなる。

もちろんアクリル板なので電話やカメラなどの実用性はないが、公式サイトには「CAMERAに映える存在感」「潔いほど徹底的なFLAT BAR」「安心と信頼のWATER PROOF」などのキャッチコピーが並んでいる。

別スマホ用のケースやレンズカバーを装着するとどう見ても…(出典:エコードワークス)
別スマホ用のケースやレンズカバーを装着するとどう見ても…(出典:エコードワークス)

試作品を見た感想は「思った通りスマホっぽいな」

製作者の「虚匠 フクサワ タカユキ」さんによると、AcryPhoneのアイデアは電池切れのスマホが黒い板に見えたことから着想を得たそうだ。

エコードワークスはこれまで、胸が大きく見えるかもしれないTシャツや、マンガの登場人物になれそうな敷毛布など、ユーモアあふれる様々なプロダクトを展開しており、「AcryPhone」は、この最新作だ。

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なぜ、スマホみたいな「黒い板」を作ったのか? ただのアクリル板のようだが、コストがかかったのはどこなのか?

エコードワークスのフクサワさんに聞いてみた。


――初めて試作品を見た感想は?周囲の人の反応は?

まず前提として、この製品を企画するきっかけになった出来事として、外出時に電池切れしたスマホがただのアクリル板に見えた経験があり、そこからの発想で「電池切れしたスマホがただのアクリル板に見えるなら、逆説的にアクリル板も(電池切れした)スマホに見えるのでは」と考えました。スマホがアクリル板に見えたのですから、当然、アクリル板もスマホに見えるだろうという目論見があって、試作品を作りました。そして実際に試作品が届いてみての感想ですが「アクリル板を切っただけだけど、思った通りスマホっぽいな」と思いました。

周囲の人には、市販のスマホケースを付けた状態で「最近つくった新作なんだ」といって手渡すのですが、初見では皆一様にスマホそのものだと思い込んでいるようで、手に持った時の軽さに違和感を持ちつつも、タップして画面を付けようとしたり、側面のボタンを押そうとしたり(AcryPhoneにボタンは付いていませんが、スマホケースにボタンっぽい凹凸があるので)、触っても押しても何も反応しないスマホ(のような板)を見て不思議がっている様子を見せてくれました。

そしてケースを外して裏表を見せ、ただの真っ黒い板であることを説明すると、「やられた!」といったような表情を見せてくれる人が多かったと記憶しています。


――製品化するまで一番コストがかかったのはどこ?

試作品の製作です。試作品製作にあたってはアクリル加工業者さんにアクリル板のカットを依頼しているのですが、1個ずつの製作はまとめて量産発注するのに比べて当然ながら割高になります。

試作品を1個作ってみて微妙にサイズ感が合わなくてコンマ5mm大きくしてみたり、小さくしてみたりを繰り返し、1個ずつの試作を何度も何度も繰り返したため、アクリル板のカット代に一番コストがかかりました。

(出典:エコードワークス)
(出典:エコードワークス)

――なぜiPhoneと同じサイズにしなかった?

AcryPhoneの設計思想は「電池切れしたスマホがその辺にあるアクリル板そっくりに見えるように、その辺にあるアクリル板をカットするだけでスマホっぽく見せる」ことです。そのため特定のスマートフォンをモデルとして、ボタンの配置やスピーカーやカメラなど各部位の凹凸、或いは外形寸法や細部の面取りなど全く同じ形状を厳格に再現することに主眼を置いてはいません。

パーツ類の凹凸やディテール再現等を重視するとどうしても専用の金型を製作するなどして、素材を0から成形することになりますが、コンセプトはあくまでその辺にある既成のアクリル板をシンプルな加工のみでスマホっぽく見せることにあり、0からスマホの形を忠実に再現することは意図から外れます。

以上から既製品のアクリル板をカットするだけということを前提に比較的スマホに近いシルエットに仕上げることを主目的としており、既製品のアクリル板は厚みが5mm, 8mm, 10mmなどミリ単位での選択肢しかないことや、カットの精度も0.5mm単位程度しか指定できないこと、また細かな凹凸や面取りなどの再現はカットだけでは再現できないことから、近似したサイズのスマホはあるけど全く同じ形状ではないといった仕上りになっています。


――製品を入れるパッケージも、実在するスマホに似せる予定なの?

パッケージは現在未定です。発売が1月下旬ですので、それまでの間に幾つかのプランを検証してみたいと思っています。

(出典:エコードワークス)
(出典:エコードワークス)

過去に編集部で安眠アプリを取材したとき、スマホを触ると気分が落ち着く人がいると言う話を聞いたが、使う気もないのについスマホを触ってしまう人は多いのではないだろうか。

リリースでは、「スマホ疲れを感じていたりスマホ依存を減らしたいと思っているけどスマホが手放せずに悩んでいる人には、もしかすると何かのきっかけが得られるかもしれません」としていた。
この「黒い板」の使い方は人それぞれ。気になる人はチェックしてほしい。

(FNNプライムオンライン1月14日掲載。元記事はこちら

https://www.fnn.jp/

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