開業110年の路面電車 新旧車両の運転席は“オートマ”と“マニュアル”【広島発】

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鉄道ファン、テレビ新広島の野川アナウンサーの「てつたま」。
前回の続編で、今回も舞台は110年の歴史を誇る広島の路面電車、広島電鉄。新旧車両の運転席を比べるという、鉄道ファンの心躍る企画。

新型車両は“ワンハンドル”式

野川アナ:
こんにちは
広島電鉄 電車技術部 車両課 中村 洋 係長:
こんにちは。千田検車係の中村と申します

広島電鉄 電車技術部 車両課 中村洋 係長(左)
広島電鉄 電車技術部 車両課 中村洋 係長(左)

前回は広島電鉄で電車整備歴40年の中村さんとともに、広島電鉄で最も古い650形の被爆車両と最新の5200形を乗り比べ、誰にでも優しく、乗りやすく進化した路面電車を体感した。

650形(1942年製造)と5200形(2022年製造)
650形(1942年製造)と5200形(2022年製造)

そして中村さんから、思いがけないお話が…
中村係長:
滅多にないんですけど、運転席座ってみますか?


野川アナ:
いいんですか?ありがとうございます。これはちょっと貴重な体験ですよ。


うわー、いいですね、シンプルに統一された感じ。一目でわかりやすい表示といいますか…

新型車両エイペックスの運転席はシンプルなレイアウトで、座席のクッションも快適。

最新5200形の運転席
最新5200形の運転席

電車の操作はレバーを引くと加速、前に押せばブレーキがかかるワンハンドル式になっている。


野川アナ:
スピードメーターは80キロまでついてますけどね。エイペックスは何キロまで出るんですか?
中村係長:
リミッター(速度を制限する装置)をかけて60キロを超えないように運転をしています。ただ、市内は40キロ。この電車は市内で使っていますので、40キロまで


野川アナ:
このレバーを手前に引くと、モーターがウワーんと動き出して。走り出すわけですね。


この足元のペダルは?
中村係長:
それ警笛です

足元の警笛ペダル
足元の警笛ペダル

野川アナ:
警笛ですか。まあさすがに、ここで鳴らしたいとは僕も言いませんけど。何事かっていう話になりますからね。ウワーでもなんかいいですね

運転席に座り大興奮の野川アナ
運転席に座り大興奮の野川アナ

ところが、運転席で興奮した野川アナは警笛ペダルを踏んでしまう


♪ ホヮン

野川アナ:
あー、ごめんなさい。ごめんなさい
中村係長:
そういう音です
野川アナ:
こういう音が鳴ると…本当に何かのはずみでごめんなさい


最古車両は“アクセルとブレーキが別”

続いて広島電鉄で最も古い車両、650形の運転席にも。


昔の路面電車は、最新のエイペックスとは違って、アクセルとブレーキがそれぞれ別のハンドルに。80年前の車両は今でも走れるように改修され、小さな運転席には無数のスイッチが取り付けられている。最新車両と比べると配線はむき出しで随分とワイルドな感じ。

最古(1942年製造)車両650形の運転席
最古(1942年製造)車両650形の運転席

野川アナ:
椅子は運転手さんの座高に合わせて3段階になっているんですか
中村係長:
そうですね

運転席の高さは3段階
運転席の高さは3段階

野川アナ:
失礼しますね。おっ!ほっ!よっと


ここでまた、アクシデントが…
警笛 ♪ホーン
野川アナ:
あー、ごめんなさい。ごめんなさい。悪気はなかったんです。本当に悪気はなかったんです。


野川アナ:
座らせていただきます。お、おー。あ、なんか背筋が伸びますね。あの、車両の形体はもちろんですけれども、物理的に背筋がとっても伸びるというね
中村係長:
すごい狭いですよね


野川アナ:
そうですね、前も後ろも、必要最低限のスペースっていう感じですね。このスペースにこれだけ詰まっている。”ぎゅうぎゅう感”っていうんですか?これはいいですね。昔は車掌さんがいて、扉をスイッチで開け閉めしていたんですけれども、今はワンマンで、運転士さんが一人でするようになり、運転席にスイッチがある。

ドア開閉スイッチ
ドア開閉スイッチ

野川アナ:
ワイパー、ウォッシャーも運転席の手前のここにある。イヤーたまらないですね。

ウオッシャー、ワイパーのボタン
ウオッシャー、ワイパーのボタン

野川アナ:
うわー、そして。ちょっとこのブレーキハンドル。

ブレーキのハンドル
ブレーキのハンドル

野川アナ:
アクセルとブレーキを別に切り替えて動かすので、新型車両と全然仕組みが違うんですね。

アクセルのハンドル
アクセルのハンドル

野川アナ:
最新のエイペックスを運転する方も650を運転することもある?
中村係長:
ありますね
野川アナ:
全然違うじゃないですか仕組みが…


中村係長:
運転士が免許を取った後には、いろんな電車に乗ってもらって、訓練をします。最新のエイペックスは、全部一つのハンドルで動かす。スタートから、思いっきりフル出力にしても、急発進しないんですね。ゆっくり制御しながら出る。

アクセル、ブレーキハンドル
アクセル、ブレーキハンドル

その出力段階が650形は8段階あって、車でいればミッションの働きをしている。出力の程度は速度によって運転士が判断する。


野川アナ:
だからエイペックスがオートマで、こっちがマニュアル車みたいな感じなんですね
中村係長:
そう、そんな感じだと思ってもらえれば
野川アナ:
乗ってると運転手さんがギアを切り替えた瞬間が分かりますよね。グッ!カンカンッって。それがいいんですよ


まだまだ見たいところがありましたがここで収録時間3時間を使い切って、撮影終了。
野川アナ:
車齢80歳の車両と0歳の車両と乗り比べをさせていただきました。同じ線路を走ってますけども、本当にもう、仕組みから何から、まるっきり違う。広島の戦中戦後を見守ってきた車両と、そして広電の未来、広島の未来を本当に守っていくというところで、まさに広島の歴史そのものとも言える広電の古い車両、新しい車両、それぞれの魅力に今日は触れることができました


路面電車というとレトロな響きが感じられるが、今は環境にやさしいエコな交通手段として、また、先進的なまちづくりの観点からも再評価されている。栃木県宇都宮市では、8月に専用軌道を走る宇都宮ライトレールが新たに開業する予定で、広島電鉄も運転士の養成などで協力している。

(テレビ新広島)

(FNNプライムオンライン1月14日掲載。元記事はこちら

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