「黒船」シェラトン進出で鹿児島のホテル界どう変わる? 共存か競争か…地元老舗ホテルの戦略は

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2023年は、鹿児島のホテル業界の動きが大いに注目される。5月に県内初となるシェラトン鹿児島の開業を控えるほか、地元を代表する2つの老舗ホテルが創業から節目の年を迎える。

外資系高級ホテルとして世界に名だたる、いわば「黒船」ともいえるシェラトンの進出を、2つのホテルはどう受け止めているのか? それぞれの戦略を取材した。

70カ国以上に展開する「シェラトン」が鹿児島に その狙いは?

鹿児島市高麗町。鹿児島市営バスや路面電車の鹿児島市電を運行する交通局跡地で建設が進む、世界70カ国以上に展開している外資系高級ホテル、シェラトン。「シェラトン鹿児島」の名前で2023年5月にオープンする予定で、現在は内装工事が行われている。


5階には、露天風呂も備えた天然温泉。最上階には、桜島、錦江湾の眺望が売りのレストラン、バーが設けられる。


高級ホテルであるシェラトンが鹿児島にやってくる狙いを、社長に聞いた。

シェラトン鹿児島 伊牟田均社長:
ホテルは街の文化のバロメーターだと思っているから、それなりの品格あるホテル作りをしていきたい


坪内一樹アナウンサー:
富裕層がコアターゲット?

シェラトン鹿児島 伊牟田均社長:
もちろんそうです。富裕層に来ていただいて、できるだけ長期に鹿児島に滞在してもらいたい


“天下のシェラトン”はどんなホテル?

富裕層がターゲットのシェラトンとは、どんなホテルなのか? 2011年にオープンしたシェラトングランドホテル広島を訪ねてみた。

デラックスキングルームの広さは35平方メートルあり、ゆったりと旅のひとときを楽しめそう。


坪内一樹アナウンサー:
クラブラウンジに入ってみます。20階ということで、眺めが素晴らしいですね


クラブラウンジが利用できるのは、ワンランク上のサービスが受けられるクラブフロアの宿泊客。朝食から日中の軽食、夜のカクテルタイムまで無料で利用できる。


そして、シェラトンホテルの特徴のひとつが、世界的ホテルチェーン、マリオット・インターナショナルのグループであること。「マリオットボンヴォイ」と呼ばれる会員は世界に1億7,000万人と言われ、ホテルのリピーターとして存在感を示している。


シェラトングランドホテル広島 山本博之総支配人:
今、マリオットボンヴォイの(宿泊客)全体に占める割合は、半分を超えている

この会員の存在が鹿児島への顧客の掘り起こしにつながると、シェラトン鹿児島の伊牟田社長も期待を寄せる。

シェラトン鹿児島 伊牟田均社長:
会員のみなさんに鹿児島の情報をうまく発信すれば、「鹿児島まで行こう」と。県外、海外からの新しい客層に来ていただく


鹿児島を代表する老舗の1つ「鹿児島サンロイヤルホテル」

そうした中、鹿児島を代表する2つの老舗ホテルが2023年、節目の年を迎える。


鹿児島市のウォーターフロント・与次郎にある1973年創業の鹿児島サンロイヤルホテル。実は、その前年の1972年、鹿児島で行われた「太陽国体」の需要に合わせて部分開業をしていた歴史を持つ。


鹿児島サンロイヤルホテル 下津昭則社長:
当時、太陽国体でしたので(ホテル名が)『サン(太陽)ロイヤルホテル』。2023年がまた、「かごしま国体」で50年

坪内一樹アナウンサー:
本当なら(かごしま国体は)2020年でしたけど

鹿児島サンロイヤルホテル 下津昭則社長:
延期になって…。縁(えにし)みたいに感じますよね

2023年は50周年を記念したロゴも制作し、記念プランも準備。スタッフの教育にも力を入れている。


鹿児島サンロイヤルホテル 下津昭則社長:
(50年を機に)外部コンサルティングに入ってもらった。おもてなしの心、スキルというのは、常に引き上げていく努力をしていかなければならない


開業60年を迎えたもう一つの老舗「城山ホテル鹿児島」

そして、開業60年を迎えたのは鹿児島市にある城山ホテル鹿児島。2023年はサステナブル(持続可能)なホテルを目指して取り組むという。鹿児島のランドマークとして、観光鹿児島の一翼を担ってきた。


城山ホテル鹿児島 東清三郎社長:
あるお客さまが鹿児島に来て、城山に宿泊してレストランを利用して「やっぱり安心するよね、城山だね。だけど、この城山を東京に持って行っても違和感があるよね」って。そういった意味では誇り高き“土着ホテル”というイメージ


県民とともに歩んできた2つの老舗ホテルは、シェラトン鹿児島の進出をどう受け止めているのか?

共存、競争…鹿児島のホテル界の未来は?

鹿児島サンロイヤルホテル  下津昭則社長:
すごいホテルなんだろうと思う。当ホテルは従来から、プロアマに関わらずスポーツ選手、修学旅行(というニーズに応えている)。そういう意味では共存ということ


坪内一樹アナウンサー:
価格的にも、より多くの人に利用していただけるような

鹿児島サンロイヤルホテル  下津昭則社長:
そうですね。サンロイヤルホテルはオールカマーですから、「みなさんどうぞ」と

一方、シェラトンと“富裕層”というターゲットが重なる城山ホテル鹿児島は、対抗策として2020年、ハイクラスなクラブフロアをオープン。広さ200平方メートルを誇る部屋は、1泊100万円という価格だ。


2018年の屋号の変更もシェラトン対策。鹿児島のホテルであることを明示し、外国人客にも伝わるよう、「SHIROYAMA HOTEL kagoshima」と、アルファベット表記とした。

城山ホテル鹿児島 東清三郎社長:
すでにその時点から、当社として準備に入っていた。ある意味ライバルホテルができるので、良いことではないか。刺激を受けるのでは


共存や競争。老舗ホテルがそれぞれの道を選択する中でオープンするシェラトン鹿児島。実は、シェラトン鹿児島の伊牟田社長は、以前「城山観光ホテル」の社長を務めていた経歴を持つ。


坪内一樹アナウンサー:
一番の競合相手ということになるかと思うのですが…

シェラトン鹿児島 伊牟田均社長:
いや、わたしは競合はしないと思っている。城山とは違うし、城山は大型の立派なホテルだと思うし、わたしもそういう気持ちで作ってきましたから。一緒に協力するところは協力して、競争するところは競争して、お互いに良くなればいいと思いますから


坪内一樹アナウンサー:
シェラトン鹿児島の開業は、鹿児島にどんなインパクトを与えると考えていますか?

シェラトン鹿児島 伊牟田均社長:
鹿児島の観光振興、経済活性化につながっていければ良いし、そうなるだろうと確信しています

2023年、新たな表情を見せることになるであろう鹿児島のホテル界。観光地・鹿児島の飛躍につながることに期待したい。

(鹿児島テレビ)

(FNNプライムオンライン1月15日掲載。元記事はこちら

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