全日空、週2日程度からの勤務可能に 進む航空業界の構造改革 真の“働き方を柔軟に”とは

経済・ビジネス

全日空は2023年度から、客室乗務員を対象に、週2日程度の勤務も可能とする制度を導入する。

コロナ禍の臨時措置を制度化 理由問わず週2日程度からの勤務可能に

全日空は2023年度から、在籍するすべての客室乗務員約8500人を対象に、理由を問わず、週2日程度からの勤務も可能とする制度を導入する。


コロナ禍の臨時措置として、現在も週2日程度からの勤務が可能となっているが、制度化するという。


毎週同じ勤務ではなく、4日働いて5日休む勤務か、4日働いて8日休む勤務を選択する。運航に影響を与えないよう、制度の利用人数に上限を設ける方針。

メリットある中“マミートラック”などに注意…求められる真の“柔軟さ”

「Live News α」では、(株)キャスター取締役CROの石倉秀明さんに話を聞いた。

内田嶺衣奈 キャスター:
働き方の選択肢を広げる今回の試み、どうご覧になりますか?


キャスター 取締役CRO・石倉秀明さん:
極論ではあるが、他の仕事をしながら週2日、客室乗務員をするというダブルワークも可能になる。客室乗務員だけでない仕事の経験やスキルを身につける機会ができるのは、これからの時代において必要なことだと思う。 

内田嶺衣奈 キャスター:
一方の会社側にとっても、メリットがありそうですよね?

キャスター 取締役CRO・石倉秀明さん:
例えば客室乗務員は「家に帰れない」「仕事がハード」「休みが希望通り取れない」などの理由で、平均より離職率が高いと言われている。

客室乗務員の場合、採用はもちろん、教育にもそれなりのお金と時間がかかっているはずなので、そのコストを退職によって無駄にせずに済むのがメリットだと思う。
加えてフルタイムで働くのがキツイという理由で辞めてしまった客室乗務員が戻ってくるなど、即戦力の人材が確保しやすくなる可能性もある。 

一方で、コロナ禍によって航空需要は大きく変わり、コストを削減する構造改革が非常に進んでいる。今回の試みにより、ほぼ固定費だった客室乗務員の人件費が一部変動費に変わるという、現実的な経営判断もあるのだろうとは思う。 

内田嶺衣奈 キャスター:
週2日勤務など、新しい働き方を広げていく際に、どのようなことがポイントになるのでしょうか?


キャスター 取締役CRO・石倉秀明さん:
例えば週2日勤務だと、厚生年金や雇用保険など社会保険の適用外になってしまうので、産休や育休などを取得する際に不利になったり、将来の年金が減ってしまうということもある。

そして時短などフルタイムではない働き方に一度なると、なかなか他のキャリアの選択肢がなくなってしまう、いわゆる“マミートラック”と呼ばれるような状態を作らない、というのは非常に大事。一度、週2日勤務になった方はもうフルタイムに戻れないなど、その後のキャリアや働き方に制限がかかってしまう制度設計になっていたら意味がないと思う。

働き方を柔軟に、と言うと良いことのように見えるが、もちろん弊害もあるはず。

だからこそ、全日空としてはきちんとメリット・デメリットを説明し、従業員が理解した上で選択できるようにすること。そして、その制度を使ったがゆえに今後のキャリアが制限されてしまうことにならないよう、本当の意味での柔軟さが求められる。

内田嶺衣奈 キャスター:
ライフステージの変化などに伴い、希望する働き方も変わっていく中、働き方の選択肢が増えることを歓迎する方は多いと思います。そうした柔軟な働き方が出来ることは、企業選びの大きな要素に今後なっていくかもしれません。誰もが働きやすい職場が増える事を願います。

(「Live News α」2023年1月16日放送分より)

(FNNプライムオンライン1月17日掲載。元記事はこちら

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