人為的ミス?“誰もが知る浅瀬”での護衛艦座礁事故 海自トップが陳謝「原因は運航面の可能性」【広島発】

社会

山口県の周防大島沖で海上自衛隊の護衛艦「いなづま」が座礁した事故について、1月17日、海上自衛隊のトップが事故原因に対する認識を示した。事故はなぜ起きたのか?現場となった海域はどのような場所なのか?

原因は“人為的ミス”か・・・

海上自衛隊・酒井良 海上幕僚長:
事故の原因が、護衛艦の運航面などにあった可能性が高いと認識しております


酒井良海上幕僚長は事故を起こした護衛艦「いなづま」について、これまでの調査ではエンジンやレーダーなどの装備機器の故障が確認されていないほか、当時の天候にも問題がなかったことなどから事故の原因は「運航面にあった可能性が高い」と指摘した。

1月10日正午過ぎ、海上自衛隊・呉基地の護衛艦「いなづま」が山口県の周防大島沖で浅瀬に乗り上げた事故。「いなづま」は尾道市因島のドックを出発した後にエンジン関連の試験運転をし、呉基地に帰る途中だった。


潜水調査では、船体前方のソナーに亀裂が確認されたほか、船尾にある左右2カ所のスクリューも壊れていることが判明。岩に接触したとみられている。また、プロペラが脱落した右のスクリュー付近からは油の流出も確認された。事故当時、護衛艦は時速約55キロで航行していたとみられ、最大速度であった可能性もある。


「いなづま」は航行不能になり現場海域に停泊していたが、16日までに尾道市因島の造船所にえい航され、17日も着岸した状態が続いている。

地元漁師「誰もが知る浅瀬」

事故後の13日、テレビ新広島の加藤雅也アナウンサーが山口県周防大島沖の現場海域へ向かった。

加藤アナ:
事故現場周辺の「センガイ瀬」と呼ばれる浅瀬です。近くには、海上保安庁が事故調査を行っているとみられる小型のボートも見えます


この海域をよく知る地元の漁業関係者に話を聞いた。

地元の漁師・小濱鉄也さん:
一見、何もないように見えるが、海底がせり上がって意外なところに岩がある。ここを航行する船は漁船も含めて全部、そのことを把握しているわけよ


浅瀬があることを示す「灯標」も設置されている。


約10年前にも客船が座礁事故

周辺では2012年11月にも客船が座礁する事故が発生し、船の甲板長は業務上過失往来危険の疑いで書類送検されたほか、業務停止1カ月の処分を受けていた。


加藤アナ:
この辺りは浅いところで水深5メートルくらいですか?

加藤アナを乗せた船に設置されているGPS
加藤アナを乗せた船に設置されているGPS

地元の漁師・小濱鉄也さん:
今いる場所はGPSで水深5.4メートル。5メートルの深さしかないのに8メートルのものがきたら当然当たるよ。それは誰でもわかる話。国を守る船がこういうミスしちゃ、いけんよ


約10年前にも似たような事故が起きた”周知の浅瀬”だという現場。海上自衛隊のトップも次のように発言している。

海上自衛隊・酒井良 海上幕僚長:
当日の運航関係者がどの程度浅瀬を認識しているかが、今後、事故調査での一つの大きなポイントになると思っています


呉地方総監部によると、護衛艦はこの後ドックに移され、船底の損傷状況などを詳しく調べる予定だ。関係者からの聞き取り調査も進められている。


“誰もが知る浅瀬”で起きた事故。再発防止が求められる。

(テレビ新広島)

(FNNプライムオンライン1月18日掲載。元記事はこちら

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