「目標はブラック校則の解消」校則を集めたサイトを会社員が個人で開設…地毛証明書・下着規制は必要か?反響や手応えを聞いた

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「パーマや脱色は禁止、生まれつきの者は地毛証明書を提出すること」

このような不合理な「ブラック校則」の解消を目標に掲げ、中学・高校の校則を集めたデータベースが一般公開されている。

(出典:School Rules Database)
(出典:School Rules Database)

「School Rules Database (https://www.schoolrulesdb.com/) 」というサイトで、現在は千葉県の県立高校119校と、同県流山市の市立中学校の校則が、誰もが無料で検索できるようになっている。

校則を内容で分けたページを見ると、最も種類が多いのは「服装」に関する規定で、「着崩し禁止」というよくあるものから、「下着規制」「パーカー禁止」「スウェット禁止」「カーディガン禁止」「セーター禁止」「アンクルソックス禁止」「ニーハイソックス禁止」「ルーズソックス禁止」「サスペンダー禁止」と様々な禁止事項がずらり。

中には「下駄禁止」という時代錯誤なものや、「授業中の防寒着着用禁止」「式典中の防寒着着用禁止」 という寒い時期は辛そうな決まりもあった。

さらにサイトの「ピックアップ」には、こんな校則が紹介されている。

・生まれつき自然の癖毛及び髪色のものは、「地毛届」に幼少時の写真を添付して、生徒指導部に届け出る。(高等学校)
・男子は、前髪は目にかからず、後ろはシャツの襟より長くなく、横は耳の半分以上にならないようにする。(高等学校)
・いかなる化粧もしないこと。いかなる装飾品も付けないこと。(女子高等学校)

このサイトを立ち上げて運営しているのは、コンサルティング会社に勤め、校則や教育分野とは関係がない仕事をしている植山良さん。

2022年1月から個人で制作をはじめ、土日の朝3時半から家族が起きてくるまでの時間に作業し、昨年9月に完成したという。

現在公開しているのは千葉県のみだが、全国の校則を集めていて、現時点で10都府県961校分の校則を入手済みで、順次公開する予定としている。

トップページには「校則をインターネット上で広く公開し、第三者が校則をチェックできる環境を整えることで、ブラック校則の解消を目指します」との目標を掲げ、息子さんが中学に進学する2028年までにブラック校則が無くなることを願っているそうだ。

なお、このようなブラック校則について文部科学省は、昨年12月に小学校から高校の生徒指導をまとめた「生徒指導提要」を12年ぶりに改訂している。

この中では「校則を作るときには、少数派の意見も尊重する」「マイナスの影響を受けている子どもがいないか検証し、いる場合は見直す」などと新しい指針が示され、さらに「校則は内外の関係者が参照できるよう、ホームページ等で公開することが適切」だと書かれている。

(出典:文部科学省)
(出典:文部科学省)

校則は情報公開制度で収集

今後は校則をホームページで公開する学校が増えてくるかもしれないが、一歩先を行く“校則データベース”を、そもそもなぜ作ろうと思い立ったのか?集めた中でもっとも変だと思った校則は何だったのか?

School Rules Database運営者の植山良さんに聞いた。


――なぜ「School Rules Database」を作ろうと思い立った?

大阪府立高校に通っている生まれつき茶髪の女子高生が教師から黒染めを強要されたとして、女子高生が大阪府を訴えたのですが、「頭髪指導は違法ではない」という判決が出ました。多様性が大事と言われている時代なのに、こんなばかなことがあっていいのかと憤りを感じたのがきっかけです。

趣味でWebサイトをいくつか作っているのですが、ひとつくらいは社会に役立つものを作ろうと思い、開発に着手しました。


――なぜ千葉県の学校を集めた?

私が千葉県に住んでいて、子供が5年後に千葉県の中学に入る予定なので、それまでに校則が改善されていればいいなと思ったからです。


――校則はどうやって収集した?

千葉県の全ての県立高校121校の校則を情報公開制度を用いて収集し、回答が得られた119校を公開しています。


――各校に問い合わせたりした?

千葉県教育委員会に対して情報公開請求したので、各校には問い合わせていません。とても丁寧に対応いただき、請求から1カ月程度で校則を入手できました。
 

一番変だと思った校則は「化性の疑いがあったら…」

――サイトは個人で制作したの?

個人で制作しました。Webサイトの企画、作成、情報公開請求などは私一人で行いました。校則は生徒手帳のスキャンデータなどで送られてくるのですが、その文字起こしについてはアルバイトの方一人にお願いしています。アルバイト代は私の自費です。


――制作で苦労したことは?

実は、千葉県立高校の校則をデータ化する前に、東京都立高校の全186校のデータ化が完了していました。しかし、2022年4月に多くの都立高校で校則の見直しが入ったため、古い校則を掲載するのも問題だと思い、せっかく作ったのに削除したのがつらかったです。


――最も変だと思った校則は?

まだ掲載していませんが、ある石川県立高校の校則で、「ファンデーションの疑いがある場合は、ティッシュで拭いて確認」という校則があります。学校側の化粧禁止を取り締まる執念を感じました。

私立高校の校則を集めるのは難しい

――サイトを公開した反響は?

千葉県松戸市の中学校教員の方から、高校選びの参考として「進路だより」に載せて良いかと問い合わせがありました。それが目的だったので快諾しました。千葉県の高校の卒業生からその高校は昔はもっと校則が緩かったと言うコメントや、高校教員の方から学校の内部事情を踏まえて校則改善するためのアドバイスをもらいました。


――目的である「ブラック校則の解消」に近づいている手応えは感じている?

まだありません。最近校則が注目されて改善されつつありますが、「ツーブロック禁止」や「地毛証明書の提出」の廃止など、改善範囲が極めて限定的です。生徒の人権や多様性を否定する校則は全廃すべきですが、まだまだ残っています。


――サイトの今後はどうなる?私立校も対応する?

私立は情報公開請求で入手できないので私立をカバーするのは難しいです。今後は千葉県以外の公立高校、公立中学をカバーしたいです。東京都立高校は2023年2月頃公開予定です。公立中学の大半は市立のため、情報公開請求先は各市町村の教育委員会です。公立中学の校則を入手するには全国約1,700の市町村に情報公開請求しなければいけないため、効率的な進め方を検討する必要があります。


――「校則はホームページで公開」などとした文科省の生徒指導提要改定はどう思う?

生徒指導提要の改訂は大きな改善だと思います。できれば、ホームページで校則と校則改訂ルールの公開を義務付けたり、フィンランドのように国が校則作成指針を作成するなど、もっと踏み込んでもらえればさらに良かったと思います。

(画像はイメージ)
(画像はイメージ)

現在では生徒指導提要の改定など、国もブラック校則の見直しに乗り出している。時代に合わない理不尽な校則が本当に必要か、各校の校則をデータベース化するこうした活動が議論や見直しのきっかけとなるかもしれない。

(FNNプライムオンライン1月20日掲載。元記事はこちら

https://www.fnn.jp/

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