もっと早ければ・・・コロナ禍の「お葬式」が変わる ガイドライン“見直し”で遺体に触れることも可能に 【大阪発】

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国内でコロナの感染によって亡くなった人は1月9日、累計で6万人を超えた。2022年12月に5万人を超えたばかり…1カ月余りで1万人というこれまでにないペースで増えている。こうした中、厚生労働省はコロナ禍の葬儀などについて、2020年7月に作成したガイドラインの見直しを発表した。 

コロナで変わる… 感染者のご遺体との「最後の別れ」とは

加藤勝信 厚生労働相:
遺体からの感染リスクは極めて低いということが確認されたことから今般ガイドラインを改正することとしたものであります。基本的にはコロナ以外で亡くなられた方と同様の対応ということで(葬儀や火葬が)ご遺族の意思をできる限り尊重してとり行われるよう


 新たなガイドラインで、葬儀場の対応はどう変わるのか?これまではコロナに感染し亡くなった人の遺体は、体液などからの二次感染のリスクを避けるために納体袋に包むことが推奨されていた。

坂元龍斗フィールドキャスターが葬儀場「フローラルホール」(大阪・門真市)で現在の状況を取材した。


坂元龍斗フィールドキャスター:
実際に(納体袋は)どういうものんですか?

フローラルホール・早田さん:
こういった非透過性と言われる、樹脂製の物ですけど、これを二重にお入りになられてる状態ですね

坂元龍斗フィールドキャスター:
かなり分厚いですね…二重なんですか…


フローラルホール・早田さん:
お蓋だけを開けさせていただいて、こういった形でお顔だけを見て頂いていました


坂元龍斗フィールドキャスター:
ただやっぱり納体袋に入っている状態だと、なかなかはっきりとは(顔は)見えない?

フローラルホール・早田さん:
そうですね、直接触れていただくこともできませんし、お顔も見ずらい部分もあるかと思いますが…2020年7月時点では、(家族に)お顔を見ていただけず、病院などのお迎え先から直接火葬場の方に向かうケースもございました


坂元龍斗フィールドキャスター:
その場合は最後お会いすることもなく?

フローラルホール・早田さん:
そうですね…


坂元龍斗フィールドキャスター:
みなさんはどうお感じになられた?

フローラルホール・早田さん:
どうしても最後の一瞬でもいいので、ご家族様にできる限りお会い頂きたい気持ちではいたが、それがかなわないという部分にはかなり我々も悔しい思いをしていた

 

 今回、見直されたガイドラインでは、体液が漏れないように処置を施せば、納体袋に包む必要はなくなりました。また、遺体に触れることは控えるようにと書かれていた部分は、触れたあとに適切な手洗いなどをすることで触れることができると改定されました。


フローラルホール・早田さん:
お葬式というのが、一つの区切りとして、残された家族さまにとってはこれからの生活をあすからまた進めるための一つの大事な区切りになると思うので、そこでお会いいただくのは大事なことだと思っている


コロナで亡くなった人の葬儀 「新たな指針」とは…

今回、ようやく改訂された新型コロナウイルスに感染して亡くなった人の葬儀や火葬について政府のガイドラインだが…

これまではコロナ感染者が亡くなった場合、「納体袋」で遺体を包む必要があったのですが、新たな指針は以下の通りだ。

(新たな指針)
・新型コロナに感染して死亡した場合でもご遺体の鼻に詰め物をするなど感染対策をとれば、「納体袋」は必要なし
・(遺体に触れた後に)適切に手洗いなどをすれば、遺体に触れることができる
 


ガイドラインについて加藤厚労大臣は「ご遺族の意思を出来る限り尊重した」としている。

ではなぜ、今、ガイドラインの変更されたのか?そもそもWHO(世界保健機関)は2020年3月24日付で「(新型コロナに感染した)遺体から感染する根拠なし」としていた。ガイドラインを変えた理由について厚労省に聞くと「ワクチンが進み治療の選択肢も増えてきた。社会状況の変化に鑑み変更した」としている。


ちなみに日本でのコロナ感染の死亡者数累計は、WHOが(「遺体から感染の根拠なし」の)ガイダンスを発表した2020年3月時点で57人だったが、現在は6万人を超えている(1月11日時点で6万792人)。

もう少し早くガイドラインが変更されていれば、遺族ももう少し納得できる見送り方ができたかもしれない。


これまでのコロナ禍での葬式・火葬の運用についてみてみると、遺族たちにとって残念な運用も続いていた。これまでの厚労省のガイドラインには、“すぐに(遺体を)火葬”とは書かれていなかったが、コロナ禍では、感染者が病院で亡くなった時、そのまま火葬場に遺体を送って、その後、遺族が遺骨を受け取って葬式を行うというケースが多くあった。


今回の政府のガイドライン変更などについて、社会学者で公共政策が専門の東京工業大学の西田亮介准教授は…

東京工業大学 西田亮介准教授:
新型コロナの初期においては、分からないことが多かった。葬儀にあたってはもちろん本人が尊重されるべきですが、多くの方が関わるということも考えるべきだと思います。家族ではない、業者や医療関係…そういった人が被るリスクについても配慮・考慮すべきというのが1点。もう1点は、厚生労働省も亡くなられた方に対する対応について、ここまで(2023年まで)手が回らなかったということも言えるのではないかと思います 

(関西テレビ「報道ランナー」 2023年1月11日放送)

(FNNプライムオンライン1月21日掲載。元記事はこちら

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