“沖縄初”の女性落語家が芸への想いを語る 「人生かけてやるなら」師匠の言葉で女優から転身【沖縄発】

文化

沖縄から初の女性落語家となった金原亭杏寿さん。一人前の落語家と認められる二つ目への昇進を2023年2月に控え、2023年1月8日那覇市で落語会が開かれた。なぜ女優から転身し落語の世界で厳しい修行の道を選んだのか、噺家としての想いを聞いた。

女優として東京へ 人生を一変させた出会い

那覇市出身の女性落語家、金原亭杏寿さん。
「二ツ目」への昇進を前に念願だった地元での公演が実現した。


──いまの心境は?

落語家・金原亭杏寿さん:
こんなに早く親子会(師匠との落語会)と銘打ってやっていただけると思っていなかったので、すごく恐縮はしているんですけど、でも、すごくありがたいので本当に楽しみに帰ってきているんですけど、まだフワッとしています。


高校2年生の時に沖縄でタレント活動を始めた杏寿さん。
モデルやドラマ出演など様々な仕事を精力的にこなす中、次第にある想いが芽生えていた。


落語家・金原亭杏寿さん:
もっと広い世界を見てお芝居もやってみたいという気持ちが強くなって、それである時の段階で東京に行こうと思って上京したのが一番初めです


東京で女優としての夢に向かって目まぐるしい日々を送り約1年が経過した頃。
その後の人生を一変させる出会いが訪れる。

落語家・金原亭杏寿さん:
お芝居を勉強するなら落語は絶対に見たほうが良い、聞いて勉強したほうが良いと(演技の講師が)仰っていて、師匠の独演会に行ったのが一番最初のきっかけですね

 

 

その師匠こそが落語家・真打ちの「金原亭世之介」。


個性溢れるファッションが目を引く世之介さんだが、着物に身を包んで高座へと上がると、場の雰囲気を一変させる。


落語家・金原亭杏寿さん:
一本の映画を観たような没入感がものすごくあって、飽きることもなく本当に満足して帰ったんですね。その衝撃がすごくて


話一つ、所作一つで観客を魅了する落語。
自らもそんな世界に身を置きたいという想いがフツフツと湧き上がってきた。

後押しした師匠の言葉「人生かけてやるなら面倒をみる」

落語家・金原亭杏寿さん:
最初は悩んだんですよ、私なんかが落語をやっていいものか。でも、もし本当に入門する気があるなら、人生かけてやるならうちで面倒を見てあげると師匠が言ってくださったので


衝撃の出会いから1か月、杏寿さんは意を決して世之介さんの元へ弟子入り。そこで待っていたのは、365日休み無く続く厳しい修行の日々だった。

落語家・金原亭杏寿さん:
家に帰ると寄席で働いている間は稽古が出来ないので稽古して。新しい話を覚えて、また覚えている話をさらい直してとかいう時間にほぼ使うので


落語家・金原亭杏寿さん:
あ、もう寝なきゃとなって寝て、また朝起きてっていう形ですね。本当にびっくりするぐらい厳しくて

落語家・真打ちの金原亭世之介さん:
なんとなくクラブ活動みたいに入ってどうにかという事と訳が違うので、そんなのじゃだめだっていう時にはパッと聞いてすぐ、今日は帰れ、お前失礼だと言って(弟子を)帰すことがありますから、そういうことは(杏寿は)無いですよね、かなり一生懸命稽古してきてるんじゃないですか。よくやっているんじゃないですか


杏寿の落語が聞きたいと言ってもらえるように精進

5年以上にも及ぶ厳しい修行を経て、遂に地元の観客の前でその話芸を披露するときが訪れた。

落語家・金原亭杏寿さん:
高座なので楽しく聞いていただきたいとうところもあったので我慢しましたけど、ちょっと泣きそうでしたね


観客の方:
元々タレント時代から知っていたので今どんな感じで活躍されているのかなと楽しみできました。表情がコロコロ変わるので、色んな演じ分けとか楽しかったですね


高校時代の同級生:
泣けました。やっと沖縄で観られたって、彼女の活躍をというような感じです。もっと沖縄で観たいです


落語家・金原亭杏寿さん:
これから(二つ目として)新しく一歩を踏み出すのに弾みが、皆さんのお陰でついたなとすごく感じています


落語家・金原亭杏寿さん:
落語家全体の中で知っている落語家って誰ってなった時に、私の名前を挙げていただけるように、その中でも杏寿の落語が聞きたい、杏寿の落語好きなんだよねと言ってもらえるような芸が出来るようになるのが目標なので、そこを目指してまた精進したいと思います

(沖縄テレビ)

(FNNプライムオンライン1月23日掲載。元記事はこちら

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