「考案した人お礼させて」“立ち乗り”できる子供用ショッピングカートに称賛の声…開発経緯を製造メーカーに聞いた

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スーパーやショッピングモールなどで買い物をする際に、ショッピングカートを利用することも多いだろう。

今、子供が“立ち乗り”できるショッピングカートがSNSで話題となり、「最強カート」「素晴らしすぎる」「これはスゴイ発明」など称賛の声も挙がっている。それが、こちらのキッズステップカートだ。

キッズステップカート(画像提供:スーパーメイト)
キッズステップカート(画像提供:スーパーメイト)

キッズステップカートは、ステップ台に4歳~6歳の子供1人と幼児用の座席に生後12カ月~48カ月未満の子供1人を乗せることが可能。カートの両側にハンドルがあり、大人が押すことで子供2人を乗せてショッピングを楽しめるという。

特徴は、ステップ台の上に乗った子供が、自分がカートを押すような感覚で店内を移動することができ、その際に地面から25センチ高い、いつもと違う目線を味わえることだ。

買い物の様子(画像提供:スーパーメイト)
買い物の様子(画像提供:スーパーメイト)

開発したのは、スーパーのかごやショッピングカートなどを企画・販売するスーパーメイト(岐阜・笠松町)。キッズステップカートは2018年の5月に発売されたもので、2019年にはグッドデザイン賞も受賞している。昨年からは小型タイプのキッズステップカートminiも発売している。

キッズステップカート mini(画像提供:スーパーメイト)
キッズステップカート mini(画像提供:スーパーメイト)

このカートを子供と利用したTwitterユーザーのタナイさん(@okinawa__noodle)が2022年12月に「このカート考案した人、頼むからお礼させてくれ」とステップ台に立つ子供の写真と一緒に投稿したところ、ツイートは4万2000を超えるいいねが付いたのだ(1月23日時点)。

タナイさんの投稿を見たTwitterユーザーからは、「このカートあるとこ売り上げUP」「押したい!乗りたい!商品を取っていれたい!を両立する素敵なカート」といったカートを称賛する声が多く寄せられた。

たしかに、子供たちはカートを押したい欲求を満たすことができるし、日常と違う目線で買い物が楽しめる。親は小さな子供二人と買い物する際には、二人ともカートに乗せられ、抱っこしたり、あちこち好き放題に店内を歩き回られる心配もない。まさに、親にとっても子供にとってもありがたいカートだ。

小さな子供と一緒に買い物するお客の目線で商品開発

では、このカートはどのようにして生まれたのか?そしてなぜ利用者に受けたのか? スーパーメイトの担当者に詳しく話を聞いてみた。


――ネットで話題になったことをどう思う?

発売からおよそ4年が経過しても、多くのお客様に使って頂き、好評を頂けていることに大変嬉しく感謝しております。長年、ショッピングカートを開発してきた弊社としては、お買い物をされる方のご要望にお応えできていることに大変達成感を感じており、今後もお客様(エンドユーザー様)目線のショッピングツールの開発をしていきます。


――キッズステップカートの開発の経緯は?

弊社はこれまで、新しいショッピングのあり方について考え、便利さや快適さを追求したショッピングカートや買い物カゴなどの商品開発を行ってきました。「キッズステップカート」においては、小さなお子様と一緒にお買い物をされることが多いお客様の立場で商品開発を行いました。

お子様と一緒にお買い物をされるお客様(保護者)のほとんどが、「子供と一緒に買い物をすると疲れちゃう…」「すぐどこかへ走って行って、探し回るだけで大変…」「子供がおとなしく幼児座席に座ってくれない…」「店中を走り回って他のお客さんやお店に迷惑をかけてしまう」など共通した悩みを持っていらっしゃいました。

そのようなエンドユーザー様のご意見を参考に“お子様も保護者の方も一緒に楽しみながら、お買い物をして頂けるショッピングカート“をテーマに開発し、商品化しました。


――なぜ“立ち乗り”に着目した?

危険だが子供がついついおこなってしまう「カートに掴まって乗る」行為の魅力を汲み取り、ショッピングカートに乗って店内を移動する楽しいアトラクション要素を取り入れることでより子供が楽しくお買い物をできると考えたからです。


――開発で苦労した点は?

お子さまが立って乗れるショッピングカートは前例がないため、安全に楽しく使って頂く為の商品実現に大変苦労しました。特に、同時に2人のお子様が乗った(座席にお子様が座りステップ部分にお子様が立つ)状態で移動しお買い物をされますので、高い安全性が必要になります。

SG認定基準(一般財団法人製品安全協会が定める生活用品の安全基準)を取得できるまで、設計の変更や試作を重ね試験を繰り返し行いました。(SG認定を取得しております。)
安全を最優先にお子様が立った状態で利用でき、保護者の方とお子様が一緒に買い物をして頂けるカートに仕上げました。

買い物の様子(画像提供:スーパーメイト)
買い物の様子(画像提供:スーパーメイト)

大人側の不安が解消されると同時に、子供側に楽しさを提供できた

――本社は岐阜県だが、カートが設置されているのは中部地方が多い?

中部地方にとどまらず、全国各地の様々な業種の店舗様で導入頂いております。現在でも、弊社の全国各支社にお問い合わせを頂いております。


――ここ数年で、キッズステップカートはどのくらい増えている?

発売当初、2018年1月は200台ほど、翌年では1年間で4000台ほどに増えており、現在も増え続けております。1カ月の生産台数は400台ほどです。


――なぜ、利用者に受けたと思う?

保護者の方からは、お子様とのお買い物の際に懸念されている「店内で走り回る」「迷子になってしまう」「カートで遊んでしまう」などの不安やトラブルが、キッズステップカートで解消されているというご意見を大変多く頂いております。

また、お子様からは「乗るのが楽しい」「ステップやパネルが可愛いから乗りたい」などのアミューズメント的な楽しさを感じて頂いております。大人側の不安が解消されると同時に、お子様に楽しさを提供できたことで、大人と子供が安心して一緒に買い物を楽しめるショッピングカートであることを認知して頂けた事が、ヒットした理由ではないかと思います。


――キッズステップカートに関する事故は起きていない?

現在まで事故のご報告は頂いておりません。
 

利用者の声「これぞ子育て支援!」

――利用者からはどんな声が届いている?

「子どもが2人いても快適に買い物ができる」「子供の顔を見れるから安心」「素晴らしいカート」「近くのスーパーにも導入してほしい」「これぞ子育て支援!」など喜びのお声を多く頂いております。


――2018年発売後、キッズステップカートは進化しているの?

はい、2018年の発売以降、安全性、利便性の向上のため現場からのフィードバックをもとに、細部の仕様変更を行いながら品質向上に努めています。また、各導入企業様ごとにオリジナルのサイドパネルを作成されるなど、デザインのバリエーションも増えております。


――昨年発売のキッズステップカートminiは、これまでのものとどう違う?

キッズステップカートとキッズステップカートminiの大きな違いは、お子様ひとりの立ち乗りスタイルになり、全体を軽量化しサイズダウンしたところです。キッズステップカートは、サイズが大きいという理由で導入することが出来ない小規模な小売店・量販店が多くありました。

また、実際にお子様連れでお買い物をされる場合、カートを押されるのは女性が多く、小売店様を通じて「もっとコンパクトで取り回ししやすい立ち乗りショッピングカートが欲しい」というご意見・ご要望を頂いておりました。キッズステップカートminiは、そのようなご意見やご要望を形にした軽量・省スペースの商品となっています。

キッズステップカートとキッズステップカートmini(画像提供:スーパーメイト)
キッズステップカートとキッズステップカートmini(画像提供:スーパーメイト)

――他に最近、開発したものはあるの?

世界的にSDGsの取り組みが本格的になったことを受け、ペットボトルキャップをリサイクルした買い物カゴ「ボトルキャップバスケット(R)」を2022年2月より製品化しました 。

リサイクル資源の安定的な回収と再利用を行うための仕組みを構築すると同時に、ペットボトルキャップを回収することで受けられる恩恵を最大限生かすために「認定NPO法人世界の子どもにワクチンを日本委員会(JCV)」へ寄付できる仕組みも取り入れております。現在は、サミット様・マルエツ様・コープデリ様をはじめ60社以上のスーパー、ドラックストア様に導入頂いております。

スーパーメイトの取り組み(画像提供:スーパーメイト)
スーパーメイトの取り組み(画像提供:スーパーメイト)

――今後、開発したいものは?

小さいお子様からお年寄りの方まで多くの方がより快適で楽しくお買い物をしていただくと共に、環境にも良い 「人と環境にやさしい」製品開発をしていきたいと思っております。そのために、今まで以上にお客様のお声に 耳を傾けられる新しい取り組みなどもしていきたいです。


開発者によると、キッズステップカートが利用者に響いた理由は「大人側の不安が解消されると同時に、子供に楽しさを提供できた点」という親子ともにウィンウィンな状況を作れたことだった。子供連れで買い物に行き、キッズステップカートをスーパーなどで見かけた際には試してみてほしい。

(FNNプライムオンライン1月24日掲載。元記事はこちら

https://www.fnn.jp/

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