【新飲料】海藻・水・砂糖だけでできた「海のワイン」誕生 発酵でフルーティーに!日本に豊富な“海藻”を生かす取り組みに迫る

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食べられる海藻が、多く生息している日本。しかし実際に私たちが食べているのは、そのうちのごく一部に過ぎない。
温暖化の影響などから藻場が激減する中、海の生態系を豊かにする取り組みを行いながら、新しい“海藻の食文化”を作る企業がある。
彼らが生み出す、海藻のおいしい有効活用に迫った。

海藻・水・砂糖だけ!発酵させてフルーティー 新しいノンアルコール飲料

海の恵みから作られた、ワインが誕生した。


伊勢丹新宿店で行われているイベントで、スタートアップ企業「シーベジタブル」が初めて提供した「海のワイン」(税込み600円/テイクアウトのみ・専用コップでの提供)。


海藻を発酵させて作ったノンアルコール飲料で、原料は海藻と水と砂糖のみ。取材班も飲んでみたが、海の香りがする一方で、味はとてもフルーティーだ。

「海藻が主体の、誰もが驚くようなおいしい飲み物を作りたい」。そんな思いから、この海のワインが誕生した。


シーベジタブル 料理開発担当 / シェフ 石坂秀威さん:
今回の海のワインの発酵の仕方だと、ある味わいが深くなっているんじゃなくて、もっと明るい爽やかな味に変化して、場合によっては青りんごのような香りや味に変化する。


日本には、食べられる海藻が約1500種類も生息しているが、温暖化の影響もあり、藻場が激減。特にこの3~4年は海藻がなくなるだけでなく、魚まで減っているという。


そうした背景からシーベジタブルは、日本全国の海で海藻の養殖を行い、海の生態系も豊かにしながら、新たな海藻の食文化を作る取り組みを行っている。


シーベジタブル 寺松千尋さん:
日本だけでも(海藻は)1500種類あると言われていて、多分みんなが普段食べているのって、10種類にも満たないぐらいだと思います。そのほかの1490種類ぐらいの海藻の、いろんな食べ方などを開発しています。


また今回のイベントでは、3品のデザートも提供(「昆布と黒糖、カカオ二ブのセミフレッド」税込み2800円/「赤い海藻とカカオパルプのミルクムース」税込み2000円/「すじ青のりのチョコレートケーキ」税込み3000円)。

すべてのメニューに海藻が使われており、新たな海藻の食べ方を来場客に提供している。


シーベジタブル 寺松千尋さん:
海藻ってすごいおいしいんだなとか、海藻って面白いなっていうことを皆さんに知って頂いて、もっと海藻を作れる場所も増えて、生産者も増えて、海も豊かにしていける、というモデルを回していけたらなと。

飲料メーカーも注目のボタニカル成分 信頼できる“ストーリー性”が鍵に

「Live News α」では、一橋ビジネススクール准教授の鈴木智子(さとこ)さんに話を聞いた。

内田嶺衣奈 キャスター:
海藻からつくるノンアルコールのワイン。マーケティングや消費者行動を研究されている鈴木さんの目には、どのように映っていますか?


一橋ビジネススクール 准教授・鈴木智子さん:
海で採れる自然素材の海藻は、消費者の健康志向が高まる中、飲料メーカーも注目するボタニカル成分の一つです。
また「ミクソロジスト」と呼ばれる、自由な発想からカクテルを作りだす特別なバーテンダーなどからも注目されています。

内田嶺衣奈 キャスター:
実際に私も「海藻ワイン」を飲んでみたんですが、口に含んだ瞬間に広がる磯の香りと、酸味の調和が本当に印象的でした。

一橋ビジネススクール 准教授・鈴木智子さん:
そうしたボタニカル成分から生まれる深い味わいは、健康に対する効果も期待できるため、飲料に付加価値を与えるとされています。そのため、今後は様々な商品が登場すると考えられます。

ただし、消費者のSDGsへの関心が高まると同時に、「グリーンウォッシュ」…つまり、本当は地球に優しくない商品やサービスを、あたかも良さそうに見せかけることに対する警戒心が高まりつつあります。

ですので、ボタニカル成分を使用した商品を発売するブランドは、サステナビリティへの態度の証明に加えて、信頼できるストーリーがますます重要になります。


内田嶺衣奈 キャスター:
確かに私たちもお店で、商品の背景やその物語にひかれて、商品を手に取ることがありますよね。

一橋ビジネススクール 准教授・鈴木智子さん:
今回の「海藻ワイン」で言うと、日本の豊かな食文化を支えている“発酵技術”と、周囲を海に囲まれた島国ならではの“海の幸”を、おいしくいただく知恵が生かされています。こうした物語が、消費者の信頼につながります。

飲んでおいしく、そして体にも優しいことはもちろん大切ですが、商品が持つストーリー性とその伝え方消費者とのコミュニケーションにも気を配る必要があります。

(「Live News α」1月24日放送分より)

(FNNプライムオンライン1月25日掲載。元記事はこちら

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