鳥インフルエンザで11歳少女死亡 WHO「世界的に懸念される」

国際・海外


家族が抱えているのは、先週、11歳で命を落とした少女の遺影。

少女の死は、鳥インフルエンザへの感染によるものだった。

カンボジアの首都・プノンペン近郊の農村で暮らしていた少女。

現地の報道によると、2月16日に39度の発熱があり、村で3日間の治療を受けた。

その後、国立の施設に移送され、鳥インフルエンザ陽性であることが判明。

治療のかいなく、22日に息を引き取った。

少女の父親(49)も感染が確認されたほか、村では、野生動物の死骸が複数見つかったという。

カンボジアで、鳥インフルエンザへのヒトへの感染が確認されたのは、2014年以来、9年ぶり。

村の住民「このウイルスをとても恐れています。コロナウイルスよりも危険です」

また、南米ペルーの海岸では、鳥インフルエンザに感染したとみられる野鳥の近くで、瀕死(ひんし)状態のアシカの姿が見つかった。

ペルー当局は、この1カ月余りで、国内の保護地域にいるアシカ700頭以上が、鳥インフルエンザへの感染により死んだと発表。

WHO(世界保健機関)は、記者会見を通じ、「ヒトを含む、哺乳類の感染例も増加していることから、世界的に懸念される状況です」と呼びかけた。

日本では、今シーズン過去最悪のペースで、鳥インフルエンザが拡大。

これまで国内では、ヒトへの感染が疑われる発症例の報告はないものの、今後の感染リスクはないのだろうか。

北海道大学・迫田義博教授「近年、アメリカやイギリスでも鳥からヒトへの感染が報告されている。(理由は)ウイルスが、うわっと鳥の間で増えて、接する人間の機会が増えてきていると思う」

鳥インフルエンザにくわしい北海道大学の迫田教授は、鳥からヒトへの感染はどの国でも起こり得るとしたうえで、これまで以上に、発生箇所での封じ込めが重要だと話す。

また、“ヒトからヒトへの感染は、基本的にはない”とする一方、「トドだとか、アシカだとか、哺乳動物に感染する機会が増えると、結果として(哺乳動物で増えやすい)変異が起きるということが懸念される」と話す。

人間への感染リスクが高まるウイルスの変異がないか、今後、さらに注意深く見守っていく必要があるという。

(FNNプライムオンライン2月27日掲載。元記事はこちら

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