4630万円誤送金 田口被告に有罪 「謝罪の気持ち常に」も即日控訴
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誤って振り込まれた4,630万円をめぐる事件で、被告の男に有罪判決。
弁護側は、判決を不服として、即日控訴した。
28日、周囲の様子に目をやりながら、弁護士の後ろから現れた田口翔被告(25)。
長めの髪を後ろで束ね、サイドを刈り上げた髪形で山口地裁へと入った。
誤って振り込まれた4,000万円以上の大金をめぐり、渦中の人となった被告に、28日、注目の判決が言い渡された。
田口被告の弁護を務める山田大介弁護士「今回の判決は、大変あってはならない判決だと思っているので」、「(田口被告本人もその意思がある?)もちろんです」
28日の判決に猛反発した弁護側。
いったい、どんな判決が下されたのだろうか。
2022年4月、山口・阿武町の新型コロナ給付金463世帯分、4,630万円が自身の口座に振り込まれた田口被告。
誤った送金だと知りながら、オンラインカジノに使う目的で別の口座に振り替え、不法な利益を得たとして、電子計算機使用詐欺の罪で逮捕・起訴された。
保釈された際には、風になびいた長い髪が、顔を覆い隠していた田口被告。
あれから、およそ7カ月。
田口被告は28日、判決を前にした心境を、文書で明かした。
田口被告のコメント「ありのままの心情ですと、迷惑をかけた方々への謝罪の気持ちを常に思っています。生活面では、正直に言うと、腹が立ったりすることもあります。誤った情報に訂正をしたくなったり、それに対して反論をしたくなることもあります」
謝罪の意思を示しつつも、一部、反論したいという気持ちものぞかせた田口被告。
FNNは、田口被告の近況を担当弁護士に聞いた。
田口被告の弁護を務める山田弁護士「ほとんど外にも出ず、自宅で仕事をして、空いている時間は、趣味はね、多肉植物、サボテンとか育てるのが好きなので」
また、保釈時は風になびいていた髪は、28日に本人と相談し、切りに行ったという。
田口被告の弁護を務める山田弁護士「きちんと行こうかって話で、わたしの方から声かけてね。(散髪に)行くか? っていったら、“行きます”って」
誤って送金された4,630万円については、すでに阿武町が回収を終え、田口被告との民事裁判でも、すでに和解が成立。
一方、刑事裁判では、電子計算機使用詐欺罪が成立するかについて、検察側と弁護側が真っ向対立した。
28日の判決で、山口地裁は「誤った振り込みがあったことを知っていたのであるから、被告には、銀行への告知義務があった」と認定。
そのうえで、正当な権利はないにもかかわらず、ネットバンキングで別の口座に金を振り替えた行為は、「虚偽の情報を与え」、「不法な利益を得た」ものだとして、電子計算機使用詐欺罪が成立するとした。
一方で、阿武町の被害額全額が補塡(ほてん)されている点が考慮されるとして、懲役3年・執行猶予5年の有罪判決を言い渡した。
執行猶予が付いた有罪判決後の記者会見。
田口被告本人が姿を見せない中、担当弁護士は、即日控訴する考えを明らかにした。
田口被告の弁護を務める山田弁護士「たとえ執行猶予付き判決だったとはいえ、有罪の判決が出てしまったので、その点については、大変、田口さんご本人には申し訳なく感じておりますし、今後も引き続き戦ってまいろうと思っております」、「(田口被告は判決をどのように受け止めている?)特に判決が出て、どうこうということではないです」
社会を揺るがした誤送金をめぐる刑事裁判は、高裁へと舞台を移す見通し。
(FNNプライムオンライン2月28日掲載。元記事はこちら)
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