都心中古マンション70m2“1億円”水準続く パワーカップルら買い支え 首都圏では住宅ローン貸出目安超え“年収11倍”に
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東京都心の中古マンションの価格が、70平方メートルあたり、約1億円の高水準が続いている。
都心6区の価格を都外3県が押し上げ
民間調査会社の東京カンテイによると、2023年1月の東京都千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、渋谷区の70平方メートルあたりの中古マンション価格は、9965万円となった。
2020年には8000万円台だったものの、急ピッチな価格上昇が続き、2022年11月に1億円の大台に乗った。その後、2カ月連続で下がったものの、約1億円の高水準が続いている。
首都圏全体の70平方メートルあたりの中古マンション価格は、2022年12月から26万円高い4845万円。
神奈川県、埼玉県、千葉県での伸びが押し上げた形となった。
富裕層やパワーカップルが支える中古マンション市場
「Live News α」では、企業経営に詳しい経済アナリストの馬渕磨理子さんに話を聞いた。
小澤陽子 キャスター:
東京都内の都心部で続く中古マンションの高騰、どうご覧になりますか?
経済アナリスト・馬渕磨理子さん:
高騰が続く新築や中古マンションを買い支えているのは、富裕層やパワーカップルとされています。
このパワーカップルとは、購買力のある共働き夫婦のことを表し、ニッセイ基礎研究所では、世帯のパートーナーが互いに年収700万円以上あって、二人あわせると1400万円以上となる家族をパワーカップルとしています。
小澤陽子 キャスター:
なぜ、こんなに都心部のマンションの価格が高騰しているのでしょうか。
経済アナリスト・馬渕磨理子さん:
年々、価格が上がるマンション価格を目の前にして、今のうちに買える物件を購入しておこうという意思決定する家族が増えています。
さらに、実際に住むという実需以外にも、建築費や人件費の高騰も関係しています。
そして、重要なのが需要と供給のバランスです。マンションの販売数が追いつかない。つまり、売りに出るマンションの数が少なくなれば、当然、人気化します。オークションの原理ですね。
建設コストが高まるなかで、企業が工夫してもなお、マンション建設が追いつかないといったことも起きていて、供給量の抑制も価格高騰につながっています。
マンション価格は平均年収の11倍を超える水準に
小澤陽子 キャスター:
マンション価格はこれからどうなるのか、やきもきしている方も多いかと思いますが、いかがでしょうか。
経済アナリスト・馬渕磨理子さん:
金融機関による個人への住宅ローンの貸出金額は、通常、年収の7倍以内が目安です。しかし、マンション価格は、いま、平均年収の11倍を超える水準になっています。
これでは、夫婦共働きで年収1400万円のパワーカップルでも、一緒にローンを組む「ダブルローン」で借入しなければ、1億円水準のマンションは購入できない状態です。
そして、日銀の政策転換の可能性もあり、これから、借入コストが高まる可能性がありマンション市況が冷え込むのではないか、そんなことが頭をよぎる方も多いはずです。
手が届かない国民の生活をよそに、熱狂が続いているマンション業界ですが、楽観と悲観が交錯するなかで、慎重に状況を見極める必要があります。
小澤陽子 キャスター:
マンションを買うとなると、人生で一番高い買い物になるかもしれません。東京オリンピックが終わったら価格が下がるとの声もあって、「もうちょっと待ってみよう」と、様子を伺っていた方も多いかと思います。この価格の高騰、どこまで続くのでしょうか。
(「Live News α」3月2日放送分より)
(FNNプライムオンライン3月3日掲載。元記事はこちら)
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