世界遺産「石見銀山」観光中に 木製の柵壊れ女性転落死 “腐食”把握も補修なし

社会


世界遺産の観光名所で、死亡事故が起きた。

亡くなったのは、ツアーの女性客。
もたれかかった柵が壊れ、川に転落したとみられている。

観光地として人気の島根・大田市にある世界遺産「石見銀山遺跡」で、観光客の女性が川に転落し、死亡する事故が起きた。

壊れた防護柵には本来、3本の柱があったということだが、腐食していたため、女性がもたれかかっただけで、中央と左端の柱が折れたという。

8日午後3時40分ごろ、愛知・北名古屋市から観光に訪れていた田上やすえさん(68)が、石見銀山遺跡の付近を流れる川に転落。

田上さんは、木製の防護柵にもたれかかったところ、腐食していた柵が折れ、およそ4メートル下を流れる川に落ちた。

その後、病院に搬送されたが、およそ3時間後に死亡が確認された。

事故が起きた石見銀山遺跡は、2007年に世界遺産に登録され、2008年のピーク時には、およそ80万人が訪れた人気の観光地。

近くで飲食店を営む人からは、事故による観光客への影響に、不安の声が上がっている。

近くのお店の人「もしかしたら、人によっては危険な箇所があるんじゃないかと思われるというのは、ちょっと懸念材料かなと」

なぜ、事故は起きたのか。
大田市の担当者は...。

大田市役所 建設部土木課・青戸将典課長「一応コーンで注意喚起、ここは危険だよっていう注意喚起ということでございますので、入ろうと思えば入れますし、無理やり寄りかかろうと思えば、寄りかかれると思っております」

この防護柵は、高さおよそ1メートル。
2010年に、市が転落防止のために設置したもの。

市は、2021年4月に腐食していることを確認し、柵の前にコーンを置いて注意喚起していたというが、2年近く補修は行われてこなかった。

2023年度中に補修される予定だったが、その前に事故が起きてしまった。

今回の事件を受けて、市は「早急に対応したい」としている。

(FNNプライムオンライン3月9日掲載。元記事はこちら

https://www.fnn.jp/

[© Fuji News Network, Inc. All rights reserved.]

FNNニュース 島根県