【水谷隼2世】卓球パリ五輪選考レースで2位につける篠塚大登(19)「何よりミスが少ない」張本智和も一目置く”期待のサウスポー”の現在地
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現在の日本男子卓球界は“リオ五輪で銀メダル”、“東京五輪で銅メダル”と2大会連続で団体のメダルをもたらした二人のサウスポー、水谷隼氏(33)と丹羽孝希(28)がそれぞれ現役生活と代表から引退し、次世代のサウスポー誕生が待たれている。
そんな中、世界ランキング29位(3月7日時点)で“水谷隼の後継者”とも呼ばれているのが、篠塚大登(しのづか・ひろと)(19)。
篠塚は、パリへ向けて再建が必要な日本にとって、ボールの回転が逆になる貴重なサウスポーだ。
今回「S-PARK」は篠塚を取材。自身が“2世”とも呼ばれる日本卓球界・絶対的エースだったレジュエンド・水谷氏について、そして選考ポイントで好位置につけているパリ五輪に向けての秘策を聞いた。
張本は「何よりミスが少ない」と評価
日本の卓球リーグであるTリーグの強豪「木下マイスター東京」の練習場がある神奈川県川崎市。この場所で篠塚は練習に励んでいた。
「初めまして、篠塚大登です」
し烈なパリ五輪のシングルスの代表選考レースで、トップの張本に次ぐ“出場圏内”の2位につけている篠塚。
同学年で日本のエースの君臨する張本智和(19)からも「何よりミスが少ないですし、最近は攻撃力もついてきているので、今、日本の中のサウスポーの選手で、一番安定感のある選手だと思います」と一目を置かれている。
卓球で“サウスポー”というと2021年に現役引退した水谷氏を思い浮かべる人も多いだろう。
――“水谷2世”と呼ばれていることについて
やっぱりそう言われるのは嬉しいですし、小さい頃から見てきたトップ選手なので、本当に憧れのような存在です。
パリ五輪の代表争いでは、張本(232.5pt)に次ぐ2位(157pt)につける篠塚。しかし、3位の戸上隼輔(150pt)との差はわずかに7pt。(2023年2月27日現在)
今後の代表争いでは、より混戦模様が予想される中、篠塚に代表を勝ちとるためのポイントを聞いてみた。
ポイント1:相手のプレーを見る“洞察力”
「(水谷氏とは)相手を見てプレーをできるのは少し似ているかなと思います。
相手がいないコースに(相手を)見ながら打てたりだとか、少しタイミングをずらしたりだとか、そういった部分が得意です」
篠塚の武器は、相手のプレーをよく見る“洞察力”。
力やスピードを生かしたプレーだけではなく、相手の行動をよく見ることで、打つタイミングをずらすなど、予測をつかせないテクニックの持ち主。
この変幻自在のテクニックが水谷さんの後継者と呼ばれるゆえんだ。
ポイント2:回り込みドライブ
もうひとつのポイントとして挙げたのは技術的な部分だ。
――パリ五輪・選考レースを勝ち抜くための秘策は?
回り込みドライブですね。回り込みドライブとはバック側のコースを大きく回り込んで踏み込んで近くに撃つことによって、相手にプレッシャーをかけられる技術です。
スピーディーな現代卓球においてバック側にきたボールはバックハンドで対応するケースが一般的。
それを篠塚は、きたボールに回り込んで、力のあるフォアハンドで対応する。相手のタイミングをずらすのが得意な篠塚にとって大きな武器となる。
「試合の中で一本でも多く回り込みドライブを決めて試合をモノにしていきたいと思います」
代表選考レースで最も高いポイントが獲得できるのは5月に開催される世界選手権。磨かれた洞察力から放たれる篠塚の変幻自在のプレーに注目だ。
(FNNプライムオンライン3月11日掲載。元記事はこちら)
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