原発事故 帰還困難区域のいま 処理水放出への懸念も 福島・富岡町

社会


東日本大震災の発生から、11日で12年。

福島・富岡町の帰還困難区域から、福島テレビ・日野佑希人アナウンサーがお伝えする。

壁が大きく崩れ、穴が開いてしまった建物。
JR常磐線の夜ノ森駅を出て、すぐ目の前に飛び込んでくる光景。

東京電力福島第1原発事故の影響で、帰還困難区域に設定されている富岡町。

10日、優先的に除染などを進めてきた、この周辺の復興拠点について、4月1日に避難指示を解除することで、国と町などが合意した。

そして、飯舘村の復興拠点も、大型連休ごろの解除を目指している。

ただ、決して解除がゴールではない。

復興拠点の面積自体も、帰還困難区域の8.5%。
12年が経過しても、福島県には、住むことが許されていない地域が残っていることも知っていただきたい。

そして、心配が広がっているものもある。

国と東京電力は、福島第1原発の汚染水から、ほとんどの放射性物質を取り除いたあとの処理水を薄めて海に流す計画で、「2023年春から夏ごろ」の放出開始を目指している。

これに対し、漁業関係者は、イメージが悪化して福島の魚介類が売れなくなると心配し、反対している。

国と東京電力には、信頼できる情報発信や取り組みが求められる。

一方で、わたしたち消費者も、どう判断するにせよ、その情報をしっかりと受けとめて考えることが大切になってくる。

復興拠点の避難指示解除と原発処理水の海洋放出は、福島県の復興の鍵を握る13年目。

(FNNプライムオンライン3月11日掲載。元記事はこちら

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