ます寿司容器 木からプラに “ウッドショック”の影響で変更
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富山土産の定番といえば、ます寿司(すし)。
そのます寿司、ウクライナ情勢の影響で異変が起きている。
酢飯の上に、薄紅色のますがのった、ます寿司。
丸い木おけに入った、富山を代表する郷土料理で、人気の駅弁としても全国に知られている。
70代「自分の家のと、ご近所に2つ(買った)。富山に来たら、ますの寿司。おいしいですからね」
20代「富山でしか食べられない、新鮮なお寿司」
しかし、このます寿司に今、異変が起きている。
富山・魚津市にある店を訪ねると、定番の木おけではなく、プラスチック容器が使われていた。
なぜなのか。
魚卸問屋はりたや・鍼田隼平社長「木のおけの入荷が見通し立たず、全然入ってこない。プラスチック容器で作っている。木が入ってこない理由の1つが、ウクライナの戦争らしいです」
この店の木おけは、ロシア産の木材を使ったものだった。
しかし、ロシアからの輸入が滞った影響で、入荷のめどが立たなくなり、プラスチック容器に変更したのだという。
加えて、容器の変更で、新たな問題にも直面した。
魚卸問屋はりたや・鍼田社長「今ドリップを切っている状態だが、下に水分がついている。ズブズブになるんですね...。これがもっと出てくる。これが木おけだと、おけがある程度吸収する」
ドリップと呼ばれる、ますや酢飯から出た脂分や水分などをとる時間が、木おけに比べて長くかかるという。
さらに、容器が割れないように、重しの量を調整するなど、ほぼすべての工程を見直す必要に迫られたという。
富山県内にある、ます寿司の多くの店では、今のところ、木おけの不足はないというが、お客さんは、容器の変更をどう受け止めるのか。
客「従来のよう(木おけ)になってた方が、雰囲気が出ると思うが、食べる分にこれで十分だと思う」
また、朗報もあった。
魚卸問屋はりたや・鍼田社長「これ今ちょうどサンプルで、試作しているところなんですけど」
木おけ不足を知った、国内の製造メーカーから提供されたという木おけ。
魚卸問屋はりたや・鍼田社長「特に何の問題もないので、(木おけと)同じやり方にできると思う」
現在は、まだ試作段階だが、4月にも木おけを使った、ます寿司を復活させたいとしている。
(FNNプライムオンライン3月13日掲載。元記事はこちら)
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