技術継承「わら道場」 長野県飯島町の米俵保存会が開設

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酒井裕司代表(左から2人目)から手ほどきを受け、わら細工に取り組む受講者
酒井裕司代表(左から2人目)から手ほどきを受け、わら細工に取り組む受講者

大相撲の土俵をはじめ、わら細工を幅広く手掛ける飯島町の職人集団「南信州米俵保存会」は9日、伝統に広く親しんでもらう中で技術の継承と後進の育成を図ろうと、「わら道場」を開設した。飯島郵便局近くの保存会作業場が会場。受講を申し込んだ約50人は、体験を通じてわら細工のいろはを学んでいく。

趣味程度から本気で修行を望む人までコース別で対応。酒井裕司代表をはじめ保存会のベテラン職人が丁寧に指導する。月4回コースが最も応募が多く、職人養成コースも2割ほどを占める。

中南信地方を中心に県外からも申し込みがあり「予想以上の反響」と酒井さん。「わら細工に対する関心の高さを改めて感じる。伝統の技を習得してもらい、さまざまな地域に輪が広がれば」と期待する。

初日のこの日は、朝から熱心に取り組む受講者の姿があり、酒井さんからわらの選別、ドーム型に仕上げる「猫つぐら」の基礎となる部分の編み方の手ほどきを受けた。

飯田市から参加した中川武人さん(67)は「自分で門松を作るなど、わら細工には以前から興味があり、今回このようなチャンスを得ることができた。皮革製造業を営んでいるので、革とわらのコラボレーション商品を作るのが夢」と熱心に挑戦。

自宅で飼っているネコのために、猫つぐらを作りたいと応募した下伊那郡の女性は「わらの香りはほっとする感じ。自分にとって新たなチャレンジで、手に職をつけられたらいいですね」と意欲をみせた。

(長野日報社 全国12新聞社加盟 全国郷土紙連合。元記事はこちら

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