一村忌しめやかに ソテツの葉ささげ、冥福祈る 奄美市

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出席者が祭壇にソテツの葉をささげ、田中一村の冥福を祈った一村忌=11日、鹿児島県奄美市名瀬
出席者が祭壇にソテツの葉をささげ、田中一村の冥福を祈った一村忌=11日、鹿児島県奄美市名瀬

独自の画風で奄美を描いた孤高の日本画家・田中一村(1908~77年)をしのぶ「一村忌」が命日に当たる11日、鹿児島県奄美市名瀬有屋町の一村終焉(しゅうえん)家屋であった。地元有志ら7人が出席し、在りし日の一村に思いをはせた。

一村を顕彰する一村会(美佐恒七会長)が1989年から毎年開いており、今年で33回目。新型コロナウイルス感染防止のため、昨年に続いて広く参加を呼び掛けず、一部の関係者のみで執り行った。

出席者は家屋周辺を約1時間かけて清掃した後、家屋の縁側に設けた祭壇にソテツの葉をささげて冥福を祈り、献杯した。

美佐会長(73)は「一村さんが描いた奄美が今年、世界自然遺産に登録された。私たちとしても、一村さんの功績や奄美の文化を発信し続けていきたい」と語った。

一村は栃木県生まれ。1958年に奄美大島に移住し、大島紬の染色などをしながら、「クワズイモとソテツ」や「アダンの海辺」といった数々の傑作を残した。

(南海日日新聞社 全国12新聞社加盟 全国郷土紙連合。元記事はこちら

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