落ちアユ一網打尽 秋の風物詩ハメ漁

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河原でアユが集まってくるのを待つ山本勝一さん(手前)と吉本宗典さん=和歌山県田辺市龍神村福井で
河原でアユが集まってくるのを待つ山本勝一さん(手前)と吉本宗典さん=和歌山県田辺市龍神村福井で

秋の風物詩として知られる日高川のハメ漁が和歌山県田辺市龍神村で行われている。産卵のために下る落ちアユを狙う伝統の漁法。漁期は今月1日から始まっており、12月31日まで。

浅瀬に対岸までくいを打ち、水中にロープを張ってササやわらを付ける。川を下っている途中で行き場がなくなったアユが集まったところを小鷹網(こたかあみ)を投げて捕獲する。仕掛けの端に「つろ」と呼ぶ囲い込みを作り、そこにたまったアユをたも網で取る方法もある。

龍神村福井の山本勝一さん(79)と吉本宗典さん(68)は、今年も初日から地元で仕掛けを作った。連日のように河原に出て、つろにアユが集まってくるのをひたすら待っている。

人影でアユが警戒しないよう河原に木の枝を立て、その後ろに立って枝の間から川面を見ている。ここ数日は好天で高気温が続いているので、サングラスをかけ、水分を取って帽子もかぶっている。

15年前からハメ漁をしているという山本さんは「年を重ねると激しい運動はできず、趣味も限られてくるが、ハメ漁はまだできるし、アユが好きなので友釣りもする。昨年は700~800匹取った」と話している。捕獲したアユは、塩焼きにして食べたり知人にプレゼントしたりするという。

(紀伊民報社 全国12新聞社加盟 全国郷土紙連合。元記事はこちら

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