田舎暮らしの良さ体感 藤里町で「JAL農業留学」

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首都圏に住む人たちが地方に一定期間滞在し、その地域の暮らしぶりを体験する短期農業研修「JAL(日本航空)農業留学」が10日から藤里町で行われている。参加者は同町粕毛の農家民宿などに滞在しながらイワナ養殖場や棚田周辺の散策などを体験し、白神山地の麓の町や田舎の生活を肌で感じている。

農林水産省の農山漁村振興交付金(地域活性化対策・人材発掘事業)を利用して、JALが首都圏在住者で地方への移住や就農に関心を持っている人たちを対象に募集した事業。研修対象地は岩手県、宮城県、秋田県など。このうち藤里町には20代から50代まで14人が参加した。
 参加者は23日までの2週間、同町粕毛の農家民宿、1棟貸しの貸し田舎「南白神ベース」、ホテルゆとりあ藤里に宿泊しながら、ふじさと元気塾の会員の案内で白神山地での紅葉散策をはじめ町内見学のほか、能代市、三種町、大潟村で畜産や果樹農家を訪れて収穫などを体験する。
 12日は横倉地区のイワナ養殖場、棚田周辺の散策、ワサビ、クレソン、セリを栽培している畑、同町に研究所を構える高級化粧品メーカー・アルビオン(本社・東京都)の施設などを見学した。参加者たちは前日の雨も上がり青空が広がった中、整備されたばかりの粕毛地区の展望台から町を一望。町全体と、遠くに白神山地が広がっている景色に感動の面持ちだった。
 参加した一人、近藤さなえさん(58)=千葉県浦安市=はもともと能代市日吉町出身。「間もなく定年になり、定年後は地方の自然の中で暮らすのは理想だが、病院は近くにあるのか、車の運転や日々の買い物はどうなのか、そこに行かないと分からないことも多いので」と参加した理由を話した。
 実際に同町を訪れ、「子どもの頃に感じていた町の印象と、今改めて見た藤里町は随分違って、アルビオンの施設があったり牧場があったりと、いろんなことをやっているのだなと感じる。こういう機会をつくってくれたJAL、受け入れてくれた元気塾の方々にも感謝」と話した。
 「農業留学」期間中、参加者は郷土芸能や移住、就農について移住者から直接話を聞いたりレクチャーを受けたり、地元の人たちと交流したりしながら、地方への移住や就農について考えることになる。

(北羽新報社 全国12新聞社加盟 全国郷土紙連合。元記事はこちら

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