ANA・CA5人酒田に移住通常業務と情報発信担う 「地域創生事業」全国初の試み 観光PRや商品開発活動

地域 社会 経済・ビジネス 旅と暮らし

全日本空輸(ANA)は、客室乗務員(CA)が酒田市に移住、東京・羽田空港まで「通勤」しCAとしての業務を続けながら、広く庄内地域に関する情報発信を行う「ANA SHONAI BLUE Ambasador」事業をスタートさせる。今月1日の庄内空港開港・就航30周年を記念した事業で、移住する女性5人が13日、酒田市役所を表敬し、丸山至市長に意気込みなどを語った。

丸山市長を囲む酒田市に移住するCAたち。左は前田支店長
丸山市長を囲む酒田市に移住するCAたち。左は前田支店長

同社は長年培ってきた航空輸送事業に加えて、新たに「地域創生事業」を展開。それぞれを深化させることで地域、顧客、会社の「三方良し」を目指そうと同事業を企画した。庄内空港発着便を含め全国的に新型コロナウイルスの影響で減便が続く中、雇用を維持するとともに、新たな業務を担当することで社員のスキル向上を図るのが狙いで、同社によると、全国初の取り組みという。

今回、同事業に応募し酒田市に移住するのは、いずれもCAとして国際線、国内線に乗務している切江沙也香さん(30)=長崎県出身、佐藤菜々子さん(27)=山形市出身、西紅映さん(28)=埼玉県出身、坂本里帆さん(27)=東京都出身、九鬼江実さん(24)=神奈川県出身=の女性5人。このうち西さんは母親が酒田出身で、2018年の酒田まつりの際、花魁(おいらん)道中で主役を務めた経験がある。

5人は今年12月以降、ANA便で庄内空港から羽田空港に「出勤」し、業務に従事。同じく飛行機で酒田に「帰宅」する一方、地域創生などを担うグループ会社・ANAあきんど(旧ANAセールス)の庄内支店員として、庄内地域を中心に観光PR、地元酒蔵との商品開発といった活動に取り組む。期間は2023年3月末まで。

5人はこの日、西祐一郎ANA広報部担当部長、前田誠ANAあきんど庄内支店長らと共に市庁舎を訪問、自己紹介に続き「雪の降る地方に住むのは初めてなので楽しみ」「日本酒と食べ物がおいしい場所だと感じた」などと述べた。これを受け丸山市長は「庄内地域はまだ発信力が足りていないことが課題なので、力をぜひ貸してほしい」と歓迎した。

山形市出身の佐藤さんは「地元の魅力をあらためて知りたいという思いから事業に参加した。一度、山形を離れたからこそ分かる魅力もあると思うので、そうしたことを発信していきたい」、西さんは「祖母は市内に住んでいる。幼少の頃は海にも行っており、思い出深い場所で、ぜひ力になりたい」とそれぞれ話した。

(荘内日報社 全国12新聞社加盟 全国郷土紙連合。元記事はこちら

http://kyodoshi.com/

[Copyright The Shonai Nippo Press Co.,Ltd./Kyodoshi conference. All rights reserved.]

山形県 全国郷土紙連合 荘内日報社