コロナ禍の移住体験へ 龍郷町、楽天とツアー開発 e-bike活用で密回避

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e-bikeに試乗する楽天社員ら=21日、龍郷町
e-bikeに試乗する楽天社員ら=21日、龍郷町

鹿児島県龍郷町は今年度、楽天グループ(三木谷浩史代表取締役)社員との協働で、ウィズコロナ時代に即した新たな移住体験ツアーの開発に取り組んでいる。21~23日は同社の社員5人が来島し、チームに分かれて「荒波方面」と「内場・ほーげ方面」の2エリアを、モニターツアーとして自転車などで巡った。

楽天は2018年から、同社の技術やノウハウなどの強みを活用し、社員が地方で活動する人たちと地域課題の解決を目指して協働する、社会問題解決のためのプログラム「Rakuten Social Accelerator(RSA)」を展開。これに龍郷町が応募したことで、楽天社員18人との協働による企画が、今年6月から始まった。

同町では今年1月、町内全域の空き家・移住に関する相談窓口として「移住ガイドセンター住もうディ!」を同町幾里の荒波龍美館内に開設。地域おこし協力隊が常駐し、空き家の貸し借りに関する相談や移住希望者と地域とのマッチング支援などを行っている。

協力隊によると、移住定住の促進には移住先の地域を理解してもらうことが重要だが、コロナ禍で現地を知るための「体験機会」が減っていた。

企画はそうした現状を背景に、移住検討者と、移住候補先の双方が安心して実施できる「移住体験ツアー」をつくる目的。オンラインでの会議を重ね、町が所有するe-bike(電動アシスト付き自転車)を活用して密を避け、自然環境にも配慮したツアーを考案した。

来島したメンバーは21日に自転車を活用、悪天候だった22日は車でツアーコースを巡った。終了後は「ツアーで訪れる場所をもう一度精査し、行動の自由度を高くしてもいいと思う」「参加者がより楽しめるよう『謎解き』など遊びの要素をどう盛り込んでいくか」「町内でも集落ごとに特色が違う。(移住者に)集落選びのポイントなども示せたら」といった課題意見が聞かれた。

26日以降、楽天社員による今回の企画に関する記事が、「住もうディ」のブログに掲載される予定。来月にはモニターツアーのまとめを行い、オンラインによる企画発表の場も設けるという。

(南海日日新聞社 全国12新聞社加盟 全国郷土紙連合。元記事はこちら

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