南ア登山の安全祈願 北沢峠で3年ぶり長衛祭 長野県伊那市長谷

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長衛祭の碑前祭でレリーフに献花し、登山の安全を祈る参加者
長衛祭の碑前祭でレリーフに献花し、登山の安全を祈る参加者

南アルプスの開拓者、竹澤長衛(1889~1958年)をしのぶ「第64回長衛祭」(同実行委員会主催)の碑前祭は25日、長野県伊那市長谷と山梨県南アルプス市境の北沢峠(標高2032メートル)で、3年ぶりに開いた。山岳関係者ら約80人が出席。南ア登山の礎を築いた長衛へ思いをはせ、本格化する登山シーズンに向けて安全を祈願した。

新型コロナウイルス感染拡大などの影響で2020年、21年は中止に。今年は一般は募らず関係者のみの参加とし、例年、祭り後に行う交流会や祭りの翌日に実施する記念登山は中止にするなど、規模を縮小して開催した。

長衛祭は、長衛と親交のあった人たちによって設置された、大岩に長衛の姿を刻んだレリーフの前で毎年行われている。式典では参加者全員で童謡「ふるさと」を歌い、地元産のアルストロメリアをレリーフに手向けた。最後に地元の長谷小学校と長谷中学校の子どもたち約15人が「讃歌長谷」を合唱。地元への思いをめぐらせた。

唐木眞澄実行委員長は「長衛祭が続けてこられたのはここの山を愛する長衛翁の心がそこにあったから。今後も続けていくために努力していく」とあいさつ。大会長の白鳥孝伊那市長は「私たちが当たり前に大自然に親しみ、登山を楽しむことができるのも長衛翁の先駆的な取り組みと崇高な志を引き継ぎ、活動を実践してきた皆さんのおかげ。今後も関係団体の皆さんと共に、安全確保や自然保護のための取り組みに努めることを碑前に誓う」と祭文を読み上げた。

(長野日報社 全国12新聞社加盟 全国郷土紙連合。元記事はこちら

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