栽培、醸造全て地元で 伊那ワイン工房「美篶」製品化 長野県

地域 旅と暮らし

出荷を控え、モダンなデザインが施されたラベル貼りに追われる村田純さん(右)と妻の由佳利さん
出荷を控え、モダンなデザインが施されたラベル貼りに追われる村田純さん(右)と妻の由佳利さん

ワイナリーの伊那ワイン工房は、工房がある長野県伊那市美篶産のブドウを原料に醸造した赤ワインを初めて製品化し、8日に蔵出しして出荷を始める。ご当地ワインとして愛されるよう「美篶」とネーミング。栽培から醸造まで地元完結のワインで、難読地名でもある”みすず”の地をPRする。同工房を2014年から営む村田純さん(61)が地元農家の協力を得る中で「産地化の第一歩」として長年の夢を実現させた。

ブドウは美篶中県の生産者森田伴雄さん、喜久子さん夫妻が丹精込めて育てた生食用のキャンベルで、村田さんが全量約600キロを買い取り収穫後の昨年9月から醸造。3月に瓶詰めし、熟成させた。

過去に森田さんからの委託で同じキャンベルを使ったワインを醸造した経験がある村田さんは、その気取らない味にひかれて自社商品にしようと企画。栽培地とワイナリーが直結する美篶地区をアピールしようと取り組んできた。

国税庁による国産ワインの地名表示厳格化により、栽培地と醸造地が同一地区内にある場合のみ地名を名乗ることができる状況。地名の入ったワインが姿を消しつつある中で、熱意を持った村田さんと森田さんがタッグを組んで「美篶」は完成した。

少し甘口に仕上げ「ブドウだなって誰もが感じる、なじみのある味わい」と村田さん。地域に根付く定番商品にしたいと期待する。

720ミリリットル入り2000円で500本限定。9日ころからAコープ美篶店や伊那市周辺の小売店に並び、同工房売店でも取り扱う。問い合わせは同工房(電話0265・98・6728)へ。

(長野日報社 全国12新聞社加盟 全国郷土紙連合。元記事はこちら

http://kyodoshi.com/

[Copyright The Nagano Nippo/Kyodoshi conference. All rights reserved.]

全国郷土紙連合 長野日報社 長野県