「杉玉」を新たな名産に 株式会社龍神村

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はさみを使い、杉玉がきれいな球状になるように形を整える大江英樹さん(和歌山県田辺市龍神村柳瀬で)
はさみを使い、杉玉がきれいな球状になるように形を整える大江英樹さん(和歌山県田辺市龍神村柳瀬で)

和歌山県田辺市龍神村の住民有志が出資した「株式会社龍神村」(伊藤研治代表取締役)は、龍神村産のスギの葉を使った「杉玉」の販売を始める。新鮮な葉を使って一つ一つ手作業で作っており、リラックス効果があるとされる爽やかなスギの香りを楽しめる。インテリアなどとして利用でき、10月から注文を受け付ける。

作るのは大(直径約60センチ)と小(直径約30センチ)の2種類。龍神杉の葉を数本ずつまとめたものを、竹製の枠に差し込んで固定し、バリカンやはさみを使って丁寧に形を整える。隙間ができないよう葉をさらに差し込みながら、外側の葉を刈ってきれいな球状に仕上げる。

杉玉作りの中心メンバーとなっている、同社取締役の林業、大江英樹さん(41)=龍神村小又川=によると、杉玉は主に造り酒屋などの軒先につるす造形物で、葉の色の変化が、新酒の熟成の時期を知らせる目印とされている。龍神村では古くから林業が盛んだったが、これまで杉玉を作っていたという記録は見つかっておらず、新たな名産にしようと杉玉作りを計画。スギを山から切り出す際に捨てられていた葉を利用して、一から手探りで始めた。

今春から試作を重ね、改善を繰り返しながら納得のいく杉玉を完成させた。現在は展示用の杉玉を作っており、完成品は龍神村の宿泊施設などに展示している。

大江さんは「スギの香りは癒やしやリラックスにも効果があり、殺菌効果のある成分も含まれている。『龍神村の杉玉』として、名産の一つとしてアピールしていきたい。葉は時間とともに赤茶色に変化していくので、色の変化も楽しんでもらえたら」と話している。

大が8万8千円、小が2万7500円。いずれも税、送料込み。注文を受けてから新鮮なスギの葉で作り、2週間程度で完成品を届ける。

注文や問い合わせは、田辺市龍神村柳瀬の「龍神村Dragon Museum(ドラゴンミュージアム)」にある株式会社龍神村の事務所(0739・78・0072)で受け付けている。

(紀伊民報社 全国12新聞社加盟 全国郷土紙連合。元記事はこちら

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