諏訪湖の御神渡り 今季の観察開始 5年ぶり出現期待 長野県

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今季の御神渡り出現に向けて観察を始めた八剱神社の関係者=6日午前6時48分ごろ、諏訪市豊田の舟渡川河口
今季の御神渡り出現に向けて観察を始めた八剱神社の関係者=6日午前6時48分ごろ、諏訪市豊田の舟渡川河口

諏訪湖面の氷がせり上がる御神渡り(御渡り)の判定と神事をつかさどる八剱神社(長野県諏訪市小和田)は6日朝、今季の湖面状況の観察を始めた。観察場所となる同市豊田の舟渡川河口に、宮坂清宮司(72)や大久保一大総代(72)ら氏子総代13人が集合。水温や気温などを計測し、2018年以来5年ぶりの出現を願った。

観察は午前6時30分ごろから始め、宮坂宮司らが持ち込んだ温度計などで計測。気温は氷点下8度、水温は2度だった。観察場所の岸辺から2メートルほどの湖面は薄氷に覆われ、厚さは4ミリほど。総代が氷斧で氷を割って水温を確認した。近くの湖面には氷が張っていない所もあり、水鳥が泳ぐ姿も見られた。

宮坂宮司によると、氷点下10度以下の厳しい寒さが2~3日続くと氷が盛り上がるという。「最近は寒さの厳しい日が続き、今日も気温が下がったので、御神渡り出現に向けて良いスタートになった。楽しみながら観察したい」と期待を寄せた。大久保大総代は「今年こそはできると期待している。拝観式をやってみたい」と話した。

御神渡りは、全面氷結した湖で氷がひび割れ、寒暖差で膨張と収縮を繰り返すとその跡が高くせり上がって出現する。諏訪大社上社の男神が下社の女神のもとへ通った筋道として言い伝えられる。連続した記録は1443年から残り、1683年以降の記録を留める御渡帳と御神渡り神事は諏訪市文化財。

御神渡りの出現は1989年以降は9回。

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