長野県伊那市のワーケーション体験車両 「イブモ」利用好調

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利用が好調な伊那市のワーケーション体験車両「イブモ」
利用が好調な伊那市のワーケーション体験車両「イブモ」

長野県伊那市が昨夏導入後、10月から一般向けのモニターツアーを行っているワーケーション体験車両「IVMO(イブモ)」の利用が増えている。これまで都市圏の企業10社計45人が利用。仕事と休暇を両立させて過ごすワーケーションを通じ、体験者と市民との新たな交流も始まった。市は「将来的な移住定住や新たな地域振興のきっかけになる」と体験車両の導入効果に手応えを感じている。

イブモは、県外の企業で働く人が、伊那市内で各自の仕事(テレワーク)と農林業体験やアウトドア活動、市民との交流などを通じ「伊那暮らし」の特徴を知るための”動くオフィス”。車両はトヨタのマイクロバス(排気量4000cc)を、市と連携するトヨタ車体(愛知県)がテレワークオフィス兼キャンピングカーに改装した。

市は昨年8月に車両を導入後、ホームページやワーケーション専用サイト、各種メディアで無料モニターツアーの参加者を募集。体験希望者と事前に詳細な打ち合わせを実施し、「伊那で何をしたいのか」の要望を聞いて個別のプランを作成し、市内に滞在するツアーを行っている。

これまでに関東、関西、中京圏にある情報技術や製造などの企業に勤める人が主に1泊2日~3泊4日のツアーを体験。参加者は仕事の傍ら、農作業、山菜採りと調理、パラグライダー試乗、たき火などのアウトドア活動を楽しんでいる。市内で林業を体験した情報関連技術者の中には、林業の業務効率化を図る新たな専用ソフトの開発に着手した人もいるという。

イブモは6人乗り。仕事用机や椅子、ベッド、トイレ、冷蔵庫、テレビ、エアコン、給湯用のボイラー、発電用ソーラーパネルなどを完備する。インターネットが使える無線通信環境も整う。業務は伊那バス観光(伊那市)に委託し、車両の運転は伊那バス(同市)の運転手が担う。

モニターツアーは3月末まで。市は市内の宿泊施設を利用したワーケーションも企画する。利用は県外者のみ。市地域創造課の工藤あずささんは「都会の方が伊那市の魅力に触れられる良い機会。伊那にお住まいの方で、県外に知人のいる方はツアーへの参加を呼び掛けてみてほしい」と話した。問い合わせは同課(電話0265・78・4111)へ。

(長野日報社 全国12新聞社加盟 全国郷土紙連合。元記事はこちら

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