角寒天作り最盛期 長野県諏訪地方

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一夜にして凍り、霜が透き通る生天。隣の干し場では降雪前の天出し作業に追われる=24日、茅野市宮川のイチカネト
一夜にして凍り、霜が透き通る生天。隣の干し場では降雪前の天出し作業に追われる=24日、茅野市宮川のイチカネト

長野県諏訪地方の冬の寒さを利用した天然の角寒天作りが最盛期を迎えている。寒天工場が集まる茅野市宮川に事務所を置く県寒天水産加工業協同組合によると「作業は昨年12月上旬から中旬に始まり、1月半ばに気温が緩むも安定した冷え込みと晴天で順調」という中、今冬、最強の寒波襲来に各社対策を取りつつ、後半戦への期待を込めている。

角寒天は海藻を大釜で煮て、ろ過、凝固、切断した生天を屋外の寒風にさらし、凍る、解けるを繰り返し2週間ほどで水分が抜けて出来上がる。天候を見ながら干し場に広げたり、積み重ねたりする必要があり気の抜けない重度労働だ。今季は9工場が2月中旬頃まで稼動する。

このうち、イチカネト(五味嘉江社長)では24日、雪が降る前に天出しを済ませ、積み重ねた天干し台をビニールシートで被う作業に追われた。組合長を務める五味社長は「一晩で生天が完全に凍る寒さが続き、各社、質の良い角寒天が出来ているよう。雪は余計だが、寒波を追い風にもうひと踏ん張りたい」と話していた。

同組合と茅野商工会議所では今年も「寒天の日」(2月16日)に併せて、市内全ての保育園や幼稚園、小中学校に角寒天を無償提供し、子どもたちが寒天給食を通じて郷土の味と伝統産業に親しむ。

(長野日報社 全国12新聞社加盟 全国郷土紙連合。元記事はこちら

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