110年前のひな人形 令和の節句彩る 釧路・大日向さん宅【釧路】

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ひな祭りが近づく中、ひな人形を飾って桃の節句を楽しんでいる家庭も多い。釧路市若草町の大日向倫子さん宅では、明治末期の約110年前のひな人形を久しぶりに飾り、釧路の街を歩く「ぶぶる街歩き会」の仲間と、ひな祭りの思い出話に花を咲かせた。

大日向さんは釧路市南大通の生まれ。学生時代は読書、社会人でアウトドアに目覚め、春採湖ネイチャーセンター勤務時に自然ガイドとして情報発信に務めた。現在も情報発信は継続している。

母の父が近江商人で、「くしろ西幣舞」と呼ばれた北大通7に母の生家「まる太土田呉服店」があった。明治大正年間から呉服、反物、布製品の商いを手広く行い、父が京都へ反物の仕入れに行く度に「今年は三人官女だよと、ひな壇がそろっていった」との思い出話を聞かされたという。

大日向さんは「人形の衣装は正絹、お道具も全て蒔絵、本塗と現代では考えられない由緒正しい品。ぶぶる街歩きで老舗商店の品に触れていなかったら、このひな飾りを思い出しただろうか。仲間と110年前にタイムスリップして、素晴らしい時間を過ごせました」と亡き母の面影をしのんでいた。


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